TV神奈川で安藤美紀さんが「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場」(マンガ)を連載中です!!

2014年4月21日

4月7日(月)
テレビ神奈川の「目で聴くテレビ」で
「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場」がスタートしました。

漫画家でもある安藤美紀さんが
聴導犬レオンとの笑いと涙の日々を
4コママンガにして連載中です。

「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場」は
テレビ神奈川「目で聴くテレビ」で
毎週月曜日朝 9:00から放映中です。

下記のアドレスから、
皆さん、
ぜひご覧下さい!!

http://www.tvk-yokohama.com/
http://www.tvk-yokohama.com/annai/

<by ナミねぇ>

ミキティのfacebookのページへ

☆安藤美紀さん(ミキティ)が語る
目で聴くテレビ「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場」
実現までの道のり
(2014年3月30日の、ミキティのブログより)

 

目で聴くテレビ「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場」実現までの道のり

ここ数日、私にとって漫画とは何か?を考えていました。
 
はっきり言って、3度の飯よりも漫画が大好きです。
でも、22歳のとき、漫画を断念してしまいました。

17歳で少女マンガ「りぼん」に新人賞を獲り、集英社も担当をつけてくれて、デビューへ向けて準備をしていたのですが、ある壁にぶつかってしまいました。

その壁とは・・・「言葉」です。

当時、私は17歳でした。「りぼん」から求められたのは高校生の恋愛漫画でした。
私がよく描いていたのはコメディ漫画。まったく描いたことのない恋愛漫画を描きなさいといわれました。

しかし、私は鹿児島県の田舎で生まれ育ったこともあり、耳がまったく聞こえないため、聞こえる高校生がどんな会話をしているのか、わかりませんでした。今と違って、テレビに字幕スーパーもないし、メールもなく、あるのは黒電話だけ。人々はどんな会話をしているのか、分からない私にとって大きな壁になりました。

上京し、5年も持ち込みしていたのですが、漫画の世界というのは才能でなく、「流行に乗れるかどうか」とわかりました。漫画はただ、キレイに描くのでなく、流行をもたらすための漫画であることが必要だとわかりました。

漫画家って、凄いお仕事をしているんだと改めて感じました。

世の中がまだよくわかっていない、(となり)まわりの人がどんな会話をしているのかわからない私にとって、初めての壁でした。そんな訳でほかの漫画家さんのところに行ってお手伝いをしながら漫画の勉強をしたいと思うようになりました。

それをあるK出版社に申し込みましたが、拒否されました。
K出版社の担当さんに言われた言葉は

「あのね〜、漫画家は、耳のきこえない、あなたのために顔を上げて口の形を大きく開けて話す時間がないんだよ!」
「そんだけ漫画家は忙しいんだよ!」
「お願いします。迷惑はかけませんので、お願いします・・・」
と言ったのですが、「何度言ったらわかるんだよ。はっきり言って迷惑なんだよ!耳が聞こえない人は漫画家になれないんだよ!」
とストレートに言われてしまいました。

私はショックを受けて、3日間、ご飯も食べず、ワンワン泣き続け、漫画を断念しました。

私の頭に浮かんだのは、漫画よりも言葉でした。

 

「言葉」と向き合うことに決めた私は22歳、産経新聞の制作局で働くことを決め、毎日、いろんな新聞を読みあさり、国語辞典で調べながら校正、記事入力の仕事に没頭していました。
自分のために「言葉」と向き合う・・・・と決心しました。

そこで出会ったのが「福祉」でした。

それは福祉を新しく変えようとしている方との出会いでした。
私にとって、勉強になるだけでなく、その人たちとの繋がりが大きな財産となりました。
新聞社の中には「福祉」そのものがわからない記者がいて、私に尋ねてくる機会が多くなりました。
気がついたら私は新聞社の中で、福祉についてもの知りになっていました。

私は漫画を描くことを断念したのですが、「漫画が描けるんだから、漫画を描きなさいよ」と薦めてくださったのは社会福祉法人プロップ・ステーションの理事長、竹中ナミさん(ナミねぇ)です。

大好きだった漫画を自分の障がいで断念したのですが、時間はかかったものの、多くの人のお陰で、聴覚障がいを漫画でいろんな人に知ってもらえたらなと思うようになりました。

そんなわけで、自分は漫画を描きたいと心から思うようになりました。数年ぶりです。
今、思えば、K出版社の担当さんから言われた言葉もいい薬になりました。
あの頃の私はまだ漫画のことも世の中のことも福祉のこともよく知らなかったのですから、大変いい経験になりました。

それから数年、漫画の世界も福祉の世界も変わってきました。
世の中の障がい者を見る目も変わってきたと思います。

私は聴覚障がい者、聴導犬とは?というものを、漫画を通じて伝えたいと思います。

集英社の担当さんが私にいつもあつく語っていたのは
「漫画というものは時代とタイミング、チャンス」でした。

今、私は漫画を描くときかな・・・・と感じるようになりました。
「いつやるの?」「今でしょ!」
今年は漫画を中心とした2014年でありたいと思うようになりました。

一つお話したいことがあります。
目で聴くテレビについてです。

実は神奈川テレビ、目で聴くテレビのディレクターが私の付き合いの長い友人なのです。
20歳のとき、東京で知り合いました。

当時、私はいくら頑張っても障がい者は仕事を選べないという、福祉の現実を知りました。
だから、タバコとお酒を愛し、悪友に囲まれ、朝まで遊んでいました(笑)

彼女は私と同じく、耳がまったく聞こえませんでした。育った環境も似ておりましたが、私とは正反対でした。
彼女はマジメでおとなしく、宮沢りえのようにキレイで美しかったです。
男からみたらマドンナの存在でした。

彼女とは友達にならないだろうと思っていたのですが、話してみると、彼女は外見とは違って、男らしいところがあったので意気投合しました。

彼女は福祉を変えたいという考えを常に持っていました。
それから彼女が選んだのは目で聴くテレビの仕事でした。

あまりにも目で聴くテレビという仕事に没頭するので、私は自分のことを考えなさいよ、と彼女と喧嘩したこともありました。

いろいろありましたが、今は大の仲良しです。
東京、大阪と離れていますが、お互い必要なときは会って、朝までお酒を飲みながら未来の福祉について語り合う仲良しです(笑)

そんな彼女が新しいものをつくりたいと言ってきたのです。
それは4コママンガ。
4コママンガをテレビ映像にしたいとのこと。
去年からずっといろんな企画を彼女は作ってくれました。

彼女は私のマンガをどうやったら、うまく引き出せるか、懸命に考えてくれました。
彼女は目で聴くテレビの番組を新しいものにしようと必死に考えています。
私は彼女がそこまでなぜ懸命に考えるのか、いつも疑問に思っていました。
今はだんだんわかってきたような気がします。

世の中には聴覚障がい者に対する差別と偏見はあるけれど、実は聴覚障がい者は素晴らしいパフォーマンスができる才能があるとのこと。
それを多くの人に見てもらいたい、
その一心で彼女は懸命に走っているのです。

目で聴くテレビはだんだん新しくなっていくでしょう。
目で聴くテレビは今までできなかったことができる番組なのです。
そんな目で聴くテレビを応援してください。

この企画の裏には、私と彼女の絆があります。
20歳で出会ってから25年経とうとしています。
長年の付き合いが今にいたります。

目で聴くテレビで「耳のパートナー聴導犬4コマ劇場を」ご覧下さる方、
楽しんでいただけると嬉しいです!

ページの先頭へ戻る