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神戸新聞 2003年6月20日より転載  (第4回)

     
 

随想

 
 
プロと連携
 
 
―――――竹中 ナミ
 
 

 

 チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト(略称CCP)の第1回カタログ販売が、始まりました。

 CCPというのは、チャレンジド(障害を持つ人)が集まる小規模作業所や授産施設などいわゆる「福祉就労の場」を「本当の働く場にしよう!」という新しいプロジェクトです。

 福祉就労の場では、クッキーや雑貨などを作ってきたけれど、景気の低迷もあり買ってくれる人の善意に頼る販売方法の限界が見えていたところです。100円玉1個でいろんなものが買える時代に「障害を持つ人たちが一生懸命作ったので、ちょっと割高感があるけど、どうか買って下さい」と訴えながらの販売には限界があって当然。でも、じゃあ、どうやって「ホンマの売れ筋商品」を生み出したらえぇんや、という知恵はなかなか出てきませんでした。

 プロップとしても「なんとか打開せなアカン」という気持ちを強く持っていたんですが、ある日ふと気が付きました。「ITのプロと連携してパソコンを使って在宅でも働けるチャレンジドが育ってきたように、物作りや販売のプロと連携したらえぇんちゃうか」と。真心を込めて作る人たちが、一流のデザイナーやマーケティングのプロのアドバイスを得られるようにし、プロの販売網に乗せて売っていくアイディアです。

 幸いナミねぇのこのアイディアに、神戸に本社を置くカタログ販売のトップ企業・フェリシモの矢崎社長が共鳴して下さいました。作業所等に補助金を出す兵庫県・神戸市も「一緒に取り組みましょう」と言って下さり、CCPが動き始めました。フェリシモのデザイン力でブラッシュアップされた商品の第一弾は、6月中旬カタログに掲載され、全国販売が始まります。皆さん、注目してや〜!!

(たけなか・なみ=社会福祉法人プロップ・ステーション理事長)