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日本工業新聞 2003年2月6日より転載

     
 
障害者の作品を販売
 
 
プロップ・ステーション<神戸>など新事業
 
 
 

“商品”へプロが助言

プロジェクト参加者を募集
自立、社会参画後押し


 神戸市にある社会福祉法人と通信販売会社が協力し、障害者が製作した作品を、プロのデザイナーなどの指導によって「商品」に仕上げ、全国規模で販売する試みに乗り出す。障害者の真の自立や社会参画を促すのが狙いだ。この計画には地元の兵庫県や神戸市も協力することを表明しており、障害者の作品をビジネス化する初の取り組みとして注目を集めそうだ。


 この計画を進めているのは、障害者の自立支援施設を運営する社会福祉法人プロップ・ステーション(理事長・竹中ナミ氏、神戸市東灘区、TEL078−845−2263)。同福祉法人の呼びかけに通販会社のフェリシモ(社長・矢崎和彦氏、神戸市中央区、TEL078−325−5705)が応じたほか、兵庫県、神戸市の地元自治体も協力。産官民が連携した「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」として立ち上げ、現在、ビジネス展開するための準備に入っている。
 計画によると、まず障害者が働く小規模作業所や授産施設など「福祉就労」の場を対象に、プロジェクトへの参加者を募る。次いで、それぞれの場でつくる生活雑貨、ファッション雑貨、アート作品などについて、プロの助言や指導によって作品グレードを高めて商品化。これを通販会社のフェリシモがカタログ販売するというもの。
 当面、兵庫県内にある小規模作業所を対象にプロジェクト参加者を募集。動向をみたうえで全国に拡大する。第1回の募集として、3月中旬まで販売したい作品の応募を受け付ける。
 同計画を立案したプロップ・ステーションは、IT(情報技術)の活用によってハンディをもつ障害者の能力を引き出し、自立や社会参画を支援する活動を展開。現在では第一線で活躍するコンピューター技術者などが育っている。竹中理事長は「今回の計画を通じ、全国の福祉就労の場を『本当の働く場』に変えていきたい」と話ししている。


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