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朝日新聞 2002年10月16日より転載 |
車いすの普通の日々描いて絵本デビュー
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大阪のくぼさん 経験生かし創作
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くぼさんは生後6ヵ月で同病と診断された。入院生活も多く、風邪をひかないよう冬は家にこもりきりだった。そんな時に心を和ませてくれたのが絵本だった。「絵本作家になりたい」。中学生のころ、心に決めた。短大では日本画を学び、卒業後はホームページを作る仕事や、フリーイラストレーターなどの制作をしてきた。 絵本は、くぼさんの経験がもとになっている。車いすの「りえちゃん」が、母の誕生日を祝おうと、姉と一緒に失敗を繰り返しながらケーキを作る。りえちゃんが車いすを使っている理由は説明されていないし、車いすで特別に活躍するわけでもない。 くぼさん自身、障害の問題に焦点を当てた本を読んだことはあるが、あまり楽しめなかった。小学校1年の時、学校の図書館で、車いすの女の子のごく普通の日常を描いた本を見つけ、「私と同じだ」とうれしかったという。 くぼさんは「子どもには障害や病気への偏見はない。私の子どものころ、『足が痛いの?』と聞かれ、説明したら、分かってくれて、ごく普通に接してくれた。小さいころから、車いすの人もいることを知ってほしい」と話す。 ひさかたチャイルド出版。本体1,000円。
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