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TBS NEWS23 1999年(平成11年)11月18日 木曜日より



     
  シリーズ ”女” 5回目
筑紫哲也さんと竹中ナミの対論 (Part2)
 
     



 
        
 


(チャレンジド・アーティスト吉田幾俊さんを映しながら)
ナレーション
  ナミねぇと出会うことによってチャレンジドは変わっていく。
彼らが変わることによって、世の中もまた変わっていく。
 
吉田さん
  ただ、一人で描いているときに比べたら、やっぱり作品の数も増えたみたい。
 
インタビューアー
  やっぱり、お互い刺激になるから?
 
吉田さん
  それが、仕事になると言うことが嬉しい。
まぁ、ボチボチですけど・・・(笑)。
 
 
  
   
(羽の生えたマウス(3D)を映す)
 
    
 
GIFアニメーションでご覧いただけます。
 
 
   
(筑紫さん・ナミねぇ対論
 
プロップ神戸事務所のある 神戸ファッションマート1Fフロアにて)
筑紫さん
  乱暴な言い方をするとね、男が元気がない(笑)。女性は元気だ(笑)。全部が元気なわけじゃないけど女性の元気さがその中で目立っちゃう、竹中さんは中でも目立つ存在だけども、どういうわけですかねぇ?
 
ナミねぇ
  よくわからないんですけどねぇ・・・。
私は、女性全体の立場を語る立場にないんで・・・、自分のことで言うといわゆる既存の社会のレールに私自身乗れないタイプで、いつもはみ出とったんですが、やっぱり自分自身の娘が重症心身障害と言うような障害をもって生まれてきて本当に彼女はまったく社会のルールと言うかレールに乗れないとしたら、”あっ、私もレールに乗らんでいい”と”もうこれで、ほんとに乗らなくっていい”。
そういう意味では、既存のレールに乗ってないことの多かった女性たちが元気と言うのは、案外、私がそういう理由であるとすると、他の方もそうかもしれない。
 
筑紫さん
  そうなるとね、今は「チャレンジド」=「女性」、あるいは「ハンディキャップ」=「女性」だとしてもね逆転しかねないんじゃあないかなと思うんですね。
今までの社会をつくのにはね、男のある種の攻撃性と言いますかガンバリ性みたいなのがよかったのかもしれない。
その結果こういう社会を創ったわけですけど・・・(笑)。
創ったのか・・・(笑)。
なんてことわない・・・(笑)。
 
ナミねぇ
  (笑)。
ごくろう様でした(笑)。
 
筑紫さん
  ごくろう様でしたって・・・(笑)。
それをうまく使いこなすのは女性的な部分かも知れないと言う気がするんですけどねぇ・・・
 
ナミねぇ
  そういう意味では、男性たちがうまくそういう女性の感性の部分も取り入れる。で、女性もまた既存のものの中で、”これは残した方が・・・”というものを取り入れるって言う、そういう相互のやり取りでうまくいくんじゃないですかねぇ。
考えてみるとひと時代前だと、今言ったようなこの女がっていうか、このおばさんが活動の中心になって、世の中に”ワァ〜〜”って叫んでいるというようなことは、石が飛んでくるようなことだったじゃないですか。
あるいは、”コンコンコン”っと叩かれるとか・・・(笑)。いくら関西がノリがいいというても多分そうだったと思うんですけど(笑)。
 
筑紫さん
  そういう意味じゃあ、竹中さん自身は今の世の中結構面白いでしょう?
 
ナミねぇ
  ごっつい、インターレストですよねぇ。
世の中がぐちゃぐちゃになって価値観がもうガラガラと崩れたりしてますやん。
それってごっつい、大歓迎ですよ。
煽るわけじゃあないんだけれど(笑)、価値観がガラガラ崩れているから、何でもありやんかって言うほんとに、今までのレールだけにこだわらんと、自分でいろんなレール作っていって、ここの駅では一緒になり、また違うけどここの駅では一緒になりみたいな、いろんなやり方をいろんな人同士で できるかなぁって思うんですけどねぇ・・・。
安定した世の中では、ナミねぇみたいな人は要らないかもしれない(笑)。
 
筑紫さん
  要らない(笑)。
 
ナミねぇ
  そうそう(笑)。
かも知れない(笑)。
 
筑紫さん
  乱世だからこそ、目がランランと輝くみたいな(笑)。
 
ナミねぇ
  思いますよ(笑)。
あんまり安定した世の中って言うのは、私ら向かない・・・。
でしょうね・・・(笑)。
 
 
        
 
ナミねぇ と 長女 麻紀(27才) 撮影:永曽 康仁さん
   
(スタジオにて)
キャスター(草野さん)
  産・官・学を巻き込んだ運動って言うことですけど、この人にこられたらかなわなですねぇ。
相手はみんな男性でしょう(笑)?
 
筑紫さん
  (笑)
結構、ファンクラブに近いぐらい、いろんな人たちが彼女をサポートしたり、一緒にやったりしてますよ。
 
キャスター(草野さん)
  分かる気がしますねぇ・・・。 うぅ〜ん・・・。
 
筑紫さん
  そういうエネルギーがご本人にもあるんだけれども、本人が言っているように時代でもありますよね。
最近いろんな人と話してて、非常に今までだったらラジカルで異端だと思われる人のほうが元気がいい。
男女に関係なしにね。今までのやり方が行き詰まっているってところがあるんだと思いますね。
ただ、今までから見るとある種新しいことをやっているわけですから、厳しさもあって、例えば、恩恵として、こう言う人たちを支えていこうと言う考え方とはちょっと違うところあるでしょ?
だから、授業受けにきても授業料は取るわ、パソコンもただであげる訳ではない。それも自分で努力しなさい。
って言う感じですからね・・・。
 
キャスター(佐古さん)
  そういう意味の、あてがい扶持の価値観を打ち破ると言うことには、全然勇気が要るとかそういうことじゃあないみたいですね。思い切っていけるってタイプですね。
 
筑紫さん
  なんか、自然にきちゃたって言う感じがしますよね。
 
 
   

撮 影 風 景
 
    
   
    
   
 
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