作成日 1998年12月吉日

 
 
 
     
  6.参加者からの反響  
     
   二日目に会場にて、参加者に対してフォーラムのアンケートを実施した。その結果を、以下に記す。  
     
  (1)セッション毎の関心度  
     
    アンケート用紙の、関心のあるセッション名に「○」が記入されたものを集計した。  
  アンケート集計  
     
  (2)自由記述感想  
  ア.セッション1:ケーススタディ「チャレンジドの就労を支援する国内外の組織」  
 
  • 日本にもサムハル社のような組織を作りたいと思った。
  • 外国の先進事例は、今後わが国がどのような施策を進めるべきかの参考になる。
  • 「Challenged」の語を生んだアメリカの事例紹介がなかったのは残念だ。
  • 海外での実例は興味深かった。
  • 海外と保守的な日本社会と差を再認識した。
 
     
  イ.特別試写「チャレンジド」  
 
  • チャレンジドの生の姿が映し出されていて、大変勇気を与えてくれる作品であった。早くビデオ化してもっと多くの方に見てもらいたい。
  • VTR販売予定などの情報が欲しかった。
  • 早く全国民に見せられるようにしてほしい。
  • 素晴らしい映画であった。多くの方に見ていただきたいと思う。
  • チャレンジドが初めて仕事をしたときの顔が素晴らしかった。
  • 「Challenged」という言葉を知らなかった私だが、映画の中での生き生きした表情を見て、深い感銘を受けた。
  • チャレンジド自身の努力と自己肯定の姿が映し出されていて、自分の励みになった。
  • 「百聞は一見に如かず」とは良く言ったもの。映画の明るいトーンも良かった。
  • 実生活の映像を見て、チャレンジドの皆さんの努力に感動させられた。
  • プロップ・ステーションの活動を知ることが出来て良かった。
  • 映画は、今後、企業内教育で活用したい。
  • チャレンジドは何もできないのではなく、仕事をする環境を与えられていなかったのが分かった。
  • パーツとして、海外の(チャレンジドを取り巻く)状況も見せてほしい。
  • 映画としては今一つ。(内容を)詰め込みすぎ。
 
     
  ウ.セッション2:パネルディスカッション「チャレンジドのための就労創造」  
 
  • 事例としてたいへん参考になった。
  • 金子先生のパネラからの意見の引き出し方と、まとめ方が良かった。NTTの話は、硬すぎた。
  • 市場価格にまつわる話など、非常に現実味を帯びた内容が参考になった。
 
     
  エ.セッション3:ケーススタディ「企業・組織における就労創造への取り組み」  
 
  • VCOMの試みは素晴らしい、もっと広がるべきだ。
  • チャレンジド自身の口から述べられた、彼らの実態を聞けたことは、たいへん貴重だった。
  • VCOMは労働関係の法律とのグレイゾーンの絡みで難しいところもあると思うが、公に認められれば、広がると思う。
 
     
  オ.セッション4:チャレンジドとインフォメーションテクノロジー  
 
  • 各企業が様々な工夫をして、素晴らしい機器を開発していることを知り、うれしく思う。
  • テクノロジーの進歩がもたらす福音に大きな期待を持った。
  • 一工夫加えることにより、バリアがなくなる可能性を実感した。
  • 自治体や企業の努力や工夫が良く分かった。日本も捨てたものでは無いと思った。
  • (舞台上でのデモンストレーションだけではなく)各発表で使われた機器を、セッションの合間に目の前で実際に操作してもらうと分かりやすい。
  • DAISYについて興味を持った。他の色々な障害者も利用可能だと思う。
  • 弱視者のパソコンの使用法を紹介してほしかった。
  • マイクロソフト社のWindows 98のユーザー補助機能の努力は評価できる。
  • 今後のマイクロソフトのアクセシビリティーについて話して頂きたかった。
  • プレクスター社のデジタル読書機の本格販売開始を、心待ちにしている。
 
     
  カ.セッション5:チャレンジド・高齢者の参加意欲を高める社会システム  
 
  • 時間不足で核心まで至らず。各立場の人達の活発な討議を期待したが、建て前の紹介で終った感がある。
  • 「高齢者」と言いつつ障害者雇用にテーマを絞るのは、いささか強引に感じた。
  • セッション5が一番面白くなかった。各省庁に(チャレンジドの求人)需要の心配までしてもらう必要はないだろう。電話代を安くするなどのインフラ整備や、(チャレンジドが)普通に働けるように教育研修を含めた環境整備までで良いように思った。
  • テレワークに関する官庁の姿勢や、取り巻く環境が良く理解できた。
  • 各省庁の取り組みも、このような場で意見交換することにより、より効果が上がると思う。
  • 須藤先生の進行がうまかった。パネラー側の発言はやや硬く、打ち合わせ不足に感じた。
  • コーディネータの発言が多すぎて、各省のパネラの発言が短すぎた。
  • 行政の取組みの現状について、もっと明確に語ってもらいたかった。
  • 1時間では短かった。もう少し詳しく話し、質問できる時間があればよかった。
  • 具体的な数字を聞きたかった。
  • もっと詳しく政府におけるテレワークの方向性、問題点などを聞きたかった。
  • 問題点を特定した方が、議論が煮詰ったと思う。たとえば、企業が障害者を雇用するに当たって、健常者と同様の給与を支払うことに躊躇している。その時に、1人当たり健常者の二分の一の給料で良いから、二人を雇用して障害者の雇用という社会ニーズに応えるというような議論が出来ないだろうか。また、その際に考えられる問題点、解決策も議論してほしい。1日目の議論では、プロップ・ス テーションが障害者を一括して雇用することにより、前記の問題点を回避できると聞いたが、どうであろうか。
 
     
  キ.セッション6:パネルディスカッション
 「コンピュータネットワークを活用した
     チャレンジドにも優しい新しい地域コミュニティの創造」
 
 
  • 行政サイドの考え方を初めて聞くことができたのは、非常に大きなものとなった。
  • 地方分権が進んで行く中、地方自治体の首長がどのように考えているのか、伺い知れて良かった。
  • 各知事の姿勢に、新しいうねりを見たような気がする。
  • 宮城県浅野知事の、健常者、身障者「ごちゃ混ぜ」のバリアフリー国体の話を興味深く聞いた。
  • 各知事の発言が自発的で面白かった。成毛さん、清原さんのまとめも良かった。
  • どの知事さんからも、とても立派で優しい考えを聞かせていただいた。ぜひ、民間の一般の窓口までその考え方や態度を徹底させていただくよう、お願いしたい。
  • このような知事を、都、神奈川県などの大都市圏で誕生させたいと思う。
  • 行政サイドの話を初めて聞けたのがたいへん良かった。
  • 3知事の考え方、指針が、個性豊かに表現されたと思う。
  • 圏域住民のためという枠を超えたところで、3県の知事はトップランナーとなって欲しい。
 
     
  ク.セッション7:クロージング「Go For It!」  
 
  • 各界のトップの方々が、賛同した宣言は、これまであまり聞いたことがない。期待している。
  • 「締め」の宣言は、もっと元気良くやってほしかった。
 
     
  ケ.その他全体を通して  
  (ア)会議の項目内容  
 
  • これだけの会議に国内のみならず海外からも参加を得た企画力と調整力、実行力に敬服する。チャ レンジドの問題の捉え方が適切で、時代がそれにマッチしているということだろう。「誰でも働いて、自ら収入を得て、税金も払い、自立する」との理念は素晴らしい。行政と市場を活かしながら、NPOが立派に機能しつつあることを(フォーラムは)示していた。しかし、登り坂にあるからと言って調子にのるのではなく、謙虚に手堅く活動を進めてほしい。
  • 盛りだくさんの内容で、もっと多くの方に参加してもらえたらよいのにと思った。たいへん勉強になった。
  • 障害者の就労促進のために、行政をはじめ、企業や研究者などの多数の方のご尽力で、このような素晴らしいフォーラムを開催されたことにとても感動している。
  • 全体として、テーマがストーリの流れに沿っていたので、分かりやすかった。
  • 少し内容を詰め込みすぎで、一つ一つの内容が浅くなっているような気がした。
  • セッションの数が多く、もう少し一つのセッションの時間にゆとりを持たせた方が良かった。
  • 行政の方々の話を聞く時間が根本的に少ないように思った。時間配分を再考してほしい。
  • 全体的に、もっとチャレンジド自身の声を聞くべきだと思う。
  • 障害者の問題は、障害者が自ら語り、将来の展望を皆とともに考えていくことが基本であると考える。今回のフォーラムは、身障者の意見発表の場が少なく、いわゆる健常者の論理で話が進んだように思った。
  • 知的障害児を持つ親の立場として、参加させていただいた。会議全体の印象が、身体障害児がメイ ンであったように思われ、改めて、知的障害児を取り巻く環境の壁の大きさを感ずる次第だ。その中で、宮城県の浅野知事の意見は、非常に印象的であった。
  • 参加者に施設の現場に携わる関係者が少ないように思った。
 
     
  (イ)会議の運営、設備  
 
  • 非常にスムーズな進行であった。事務局のご苦労を感じた。
  • この会議の成果を文書などで記録して、第三者がいつも見られるようにしてはどうか。
  • 各セッションで、もっとフロアからの声を聞いてもらいたかった。(質疑応答の時間が不足)
  • 身障者用のトイレがないホールでのフォーラムは、健常者中心の考えを物語っているのではないか。(注・ ホールの隣りに身障トイレが有ったが案内表示が見えにくかった)
  • 二日目の昼食時、ホテルのレストランが満杯になり、午後の開始に間に合わない方がいた。特に、車椅子の方は、レストランでの場所の確保が大変そうであった。希望者には弁当を手配しても良かったのではないか。
  • 長時間のセッションは、障害者には少しつらかった(腰が痛かった)。
  • 移動の難しいこの時期を外して開催することを希望する。
  • ホテル内の照明が暗くて、歩行するのに困った。
  • 長時間座ったまま聴講するには、椅子の作りが良くないと感じた。
  • 手話と字幕設備があれば良かった。この分野では、自分も今後協力していきたい。
  • プログラムパンフレットなどに誤字、編集ミスが目立った。チャレンジドのスキルの高さを示すためにも、このようなミスは無くすべきだ。
  • アンケート用紙をもっと早く渡してほしかった。
  • メモやノートパソコンを拡げられるボード付きの座席にしてほしかった。
  • 聴覚障害者であったので、参加申し込みはFAX.で行った。その時に、自分は聴覚障害者であると伝え、当日、できれば要約筆記などの補聴支援を、とお願いした。しかし、事務局からの返答は、当日配布資料を用意するので、補聴支援は出来ないとのことであった。その配布資料を会場で見ると、会場で起こっていることが明確に理解できない(浅い)内容であったので、受付で伝えると「予算の都合で手話通訳は用意できない」と言われた。結局、会場にボランティアで手話通訳が務めてくださった方がおり、救われた気持ちだ。また、映画にも字幕を入れてくれれば、もっと理解が深まったと思う。障害者の中でも、とりわけ聴覚障害者は、本人が言わないと周りの人の目に見えない障害なので、福祉の取り組み面が遅れがちであると良く言われている。
 
     
  (ウ)参加目的と成果  
 
  • 茨城県では情報化を推進するための団体を産学官で設立している(茨城県高度情報化推進協議会)。 今年度の調査研究事業のテーマを「障害者と情報通信」として活動を行っている。今回のフォーラ ムは、たいへん参考になり感銘を受けた。今後の活発な活動を期待するとともに、私どもへの指導もよろしくお願いしたい。
  • たくさんのヒントと勇気をもらった。茨城でチャレンジドが中心となった情報コミュニティを目指してNPOを起こしていく計画だ。今後は、地域コミュニティNPOの立ち上げをテーマに入れてほしい。
  • 長崎での取り組みのために、大変参考になった。どうも有り難う。
  • 現在、香川県においても、チャレンジドの在宅就労にかかる実験事業が行われている。今後の事業遂行のための多くのヒントが得られた。誠に有り難う。
  • 社会に密接に貢献するコンピュータソフト開発を行いたいとの気持ちから参加させていただいた。 インターネットの情報を特に視覚障害者の立場から調査し、この会議に参加したつもりであった。 だが、もっと我々は実際の現場を知り、一コンピュータ企業としてではなく地域社会やコミュニティ的な見地から取り組んで行かなくてはならないと感じた。素晴らしいフォーラムであったと思う。
  • 私は大学で情報学を学び、修士論文でテレワークについて何か形に出来ればと思っている。その切り口としていろいろ情報収集すべく、このフォーラムに参加した。特に、セッション5は有意義であったが、もう少しテレワークに関して海外の事例も紹介していただきたかった。
  • 音声や画像を通じたコンピュータと人間との間のインタフェースを研究している、企業としては製品化できないものの、役に立つ技術はすでに数多くあると感じた。
  • 参加していろいろ触発され、エネルギーを与えられた。東京からの参加だが、神戸に来て現地で参加できて嬉しかった。
  • たいへん刺激的な会議であった。
 
     
  (エ)意識変革、社会変革への思い  
 
  • NPOの活発な活動を可能にする環境整備が大切と再認識した。節税も良いが、納税することが喜びと知ったのは、オーストラリアのスパスティセンターを20年前に訪問したときのことだった。日本 人の税に対する、すなわち社会に対する意識変革が重要課題であると痛感している。
  • 保護されるのみの福祉は、健常者、障害者共にハンディキャップ者を一人前の人間として扱わないものである。これでは、本当の障害者と障害者予備軍が作られてしまう。行政の福祉でお金をもらうという考えを変えていかないと、教育、行政共に成長できないと感じた。
  • テレワークが発展し、チャレンジドの方々が在宅で仕事が出来、積極的に社会参加できる仕組み作りを、官民学、NPOの皆で考えて、21世紀の日本を世界で一番素晴らしい国であると評価されるように、この会で勉強していきたい。
  • 身障者の雇用促進も重要だが、雇用後の育成、評価、昇進などについてさらに突っ込んだ発表を、今後、期待したい。素晴らしいフォーラムであった。
  • コンピュータに素人の私には、パソコンの難しい用語や使用法は分からなかった。しかし、フォー ラムに参加できてたくさんのことを吸収できた。私もチャレンジドと同じ「挑戦する人間」として努力をしていきたいと痛切に感じた。
  • テレワークに関する法制度の整備を急ぐべきであると感じた。
  • チャレンジドにとって、インターネットの必要性を感じた。
  • テレコムを活用した人道支援を志しているNGOのメンバだ。自分も何かお役に立ちたいと思う。
  • 東京で、学業の傍ら有償介助スタッフをしていて、プロップの先進性に驚嘆した。今後もご教示頂くことと思う。
  • チャレンジドが仕事を持つことで、権利を遠慮なく主張できる社会がチャレンジドにとっても、社会にとってもベストなのだということを改めて感じることができた。
  • 「Go For It!」の心を家まで持って帰る。よいお土産になった。帰ったらさっそく、ご近所と友人におすそ分けさせていただく。
  • 来年もぜひ参加したい。チャレンジドを持つ者として。
  • 皆様、どうも有り難う。自己の責任で努力する。2日間のフォーラム(に参加できて)生きていて良かった。光が見えた。嬉しい。61歳、1種2級。
 
     
 
 
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