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作成日 1998年12月吉日
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(7)セッション6
「コンピュータネットワークを活用したチャレンジドにも優しい新しい地域コミュニティの創造」
(13:35〜14:55)
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- こういう会ではめずらしく知事の方に来ていただいた。(竹中)
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竹中ナミさん・田中敦仁さん |
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- 2025年には、人口の1/3以上が高齢者になる。私もその頃には老人になっている。 高齢者とチャレンジドの社会参加は、今後さらに重要になってくるだろう。そ
の時に、情報通信ネットワークが人類の未来を左右するだろう。
- 「高齢者、チャレンジド」と「情報ネットワーク」この2つのコミュニティが大切。
- 今日、来ていただいた知事の方は、どんなこともでも聞いてくれ、どんなことでもしゃべると言っている。いろいろ聞いていきたいと思う。
- まず、浅野知事へ福祉に関して質問をする。(成毛)
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清原慶子さん・成毛真さん |
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- このフォーラムの熱気といろいろな人が来ていることに感動している。
- 私は、厚生省の障害福祉課で障害福祉活動を行ってきた。知的障害者と子供の障害者の担当だった。彼らは面白い、とびっきりの人たちだった。その時、こういう人たちの人生はどうなんだ、障害者が生まれてから辿る人生は、障害児学級に通い、その後施設で一生を過すというワンパターンで、悲しいことだと思った。チャレンジドもノーマライゼーション、当たり前の生活、普通の生活をするべきだと思った。キーワードは「当たり前の生活」ということだった。
- (障害者同士の)居住型生活は当たり前の生活ではない。その理由に、私も含めみんなそんなところで生活をするのは嫌だと言っている。地域を大海原と考えると、我々は海水浴をするために生まれてきたようなものだ。障害者もこの大海原で安心して海水浴ができる社会にすべきである。
- 「立つ瀬」という言葉がある。私は、障害者たちに「立つ瀬」を与えようと思っている。自分にはこれができると言えるもの「立つ瀬」を与えたい。チャレンジドは、神から挑戦を受けている人たちだ。哀れんでチャレンジドを助けるというのとは違ったアプローチが必要だ。(浅野)
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- 浅野知事、ありがとうございます。
- 次に、橋本知事にお願いする。(成毛)
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- 高齢者ということは他人事ではない。高知県は、高齢者の占める割合が全国で2番目に高く、全国の各地域がこれから辿るであろう縮図である。
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- 高齢化社会において、情報ネットワークの活用が重要になるだろう。情報ネットワークの魅力は生活面、行政面に対して距離を感じさせないことである。生活面・行政面・産業面、これら全てを情報化すべきである。
- 端末をみんなで持ってネットワークを起す、横型のネットワークが必要だ。情報ネットワーク、これらが世の中を大きく変えていくのではと思う。県庁内でも、電子メールが自由に使える環境を構築したところ、一般職員からも知事に有意義な提案がどんどん届くようになった。これまでの、一般職員−係長−課長補佐−課長−部長−知事と言った従来の庁内のヒエラルキーが、情報通信技術によっていとも簡単に破壊されようとしている。これは、まさに情報通信技術による革命だ。(橋本)
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清原慶子さん・成毛真さん・貝原俊民さん・浅野史郎さん・スクリーンは橋本大二郎さん |
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- ありがとうございました。
- 橋本知事のいる高知では、「よさこい祭り」の最中では?その格好で出てこられるのかと思った。(笑)(成毛)
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- 20世紀末にこういう会議ができることは非常に象徴的である。今年は明治以来130年にあたる。20世紀の一つの側面は「技術」の世紀だったと思う。その中で特に大きなテクノロジーが交通運輸技術と情報通信技術だ。テレビ会議システムで橋本知事と会話ができるのは、20世紀末に人類が手に入れることのできたインフォメーション・テクノロジーの成果である。また、800キロ以上も離れた宮城県の知事が一泊で神戸にやってきて会議をすることができるのは、トランスポーテーション・テクノロジーの進歩があってこそ可能になった。
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貝原俊民さん |
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- テクノロジーは人間の能力を拡大する力を持つ。特に、インフォメーション・テクノロジーは人間の視覚・聴覚力を高めている。今日は長崎に原爆が投下された日だが、テクノロジーを良いほうに使うのか、悪いほうに使うのか、神の手になるものか、悪魔の手になるものか、人類に選択を任されているように思う。
- 良いことに使うと人類に対する成果を与えてくれる。20世紀に手に入れた「技術」を活用することにより21世紀はもっと良いものになるだろう。
- 神戸港は明治元年に開港し、ヨーロッパやアジアの文明を取り入れて、神戸の近代化が進んできた。さらに、新しい世紀に向かって貢献していきたいと思う。震災で壊れたものを復旧するのではなく、新たなものを創造していきたいと考えている。(貝原)
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- ありがとうございました。
- 各県知事に対するコメントは?(成毛)
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- 市民の立場、研究者の立場として、僭越ながらコメントさせていただく。
- 県民からの直接投票で選ばれた各知事が、県民の方の暮らしを自身の暮らしとして考えながら日々行政をされていることを痛感した。
- 3人の知事の話はわかりやすい。各自が考えているビジョン、政策について、わかりやすく説明をしてくれた。それぞれの地域の代表から、3つの違う自治体の状況を知ることができた。直面している課題はそれぞれ違う。貝原知事は、阪神淡路大震災を通じて「情報テクノロジー」が、緊急時のみならず平時にもいかに大切かを認識されている。橋本知事は、中山間地の多い地域にとっての重要なツールとして「情報テクノロジー」を考えている。また、浅野知事は、知的障害者との出会いを原点として、暮らしにネットワークを生かすことを考えている。(清原)
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- それぞれの地域特性に応じた、福祉行政を行っている。
- 次に、各地域の情報通信に関するプランを聞きたい。(成毛)
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- 高知では、情報化計画「KOCHI 2001 PLAN」というものを掲げている。この計画の情報通信基盤として、「高知県情報スーパーハイウェイ」を整備しており、今年11月には、県内どこからでも3分10円で利用できるようになる。「ハイウェイ」を広く、市民活動グループや企業・起業家にも活用してもらおうと、活用プランの公募を行ったところ、県内外から予想を上回る応募があった。
- 障害者の、情報化を活用した社会参加及びテレワ−ク実現に向けて、「幡多四万十デジタルビレッジ構想」の一環として、「マイセルフネットワーク」事業を進めている。
- これからは、介護保険導入等を含めて、保健・医療・福祉相互のネットワク化が求められてくる。(橋本)
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福祉行政そのものが与えられるから、違う観点があるのでは?(成毛)
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- 宮城県は福祉先進県を目指す。その際に、国体のように総合得点でのトップを目指すのではなく、オリンピックのように、個々の分野で一つずつ金メダルを取れる、そんなふうになりたいと思う。
- 国体などの大規模なイベントを開催するにあたっては、バリアフリーが必要だろう。観光に来ても車椅子のまま温泉に入れるなど、ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアを宮城に作っていきたい。
- 健常者と身障者の大会を共にやれば良いと思う。
- 宮城県には「ミミネット」というものがある。コンセプトは情報通信を使ってコミュニケーションを取るもの。産学官、テクノプラザ宮城が関わっている。全てNPOである。
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- 「西多賀プロジェクト」では、在宅の訓練を行っている。
- 「ふれあいネットワーク」とは、在宅で買い物ができるようにするもの。今は実験段階だが、結果がでればすぐにでも行うつもりだ。
- 「サイバード」は、在宅就労のための情報通信である。
- 情報通信のツールを民間ベースで行っていく。NPOにも関連しているので、成長を見てほしい。(浅野)
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浅野史郎さん |
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- 宮城では、バリアフリーを進められているということだが、兵庫県ではどうか。(成毛)
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- 震災で特徴的なことは行政のできの悪さが非常に大きくクローズアップされ、その一方で、ボランティアの活動が高く評価されたことである。市民への評価が高く、行政への評価は何もなかった。あの時は、悔しい思いをした。
- 今、日本の社会は成熟しつつあるのではないかと思う。以前までは官の力、役所の力が大きかったが、社会の成熟に伴って市民の力が大きくなってきているように思う。市民の力が大きくなってくると、役所の力が相対的に小さくなる。
- 外国人やハンディキャップを持った人たちは、災害時に特に情報を必要としていた。その時に実際に情報を提供したのは、市民団体、ボランティアだった。行政では各国語による放送までできなかったが、ボランティアの人たちは放送局を作り上げ情報を流していた。これらは、官主導ではやりにくい。レベルの高い地域社会を作る時代に入っている。95年1月17日から8か月の間に活動したボランティアは延べ130万人にものぼった。こうした震災の経験を踏まえて3点、お伝えしたい。
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(1)地域情報の重要性 |
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グローバルな情報だけではなく、地域の情報が大切である。県下には18のケーブルテレビ局、7つのコミュニティ放送局がある。行政としては、こうしたコミュニティを支えるメディアをサポートしていきたい。
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(2)安全・安心コミュニティ |
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県では、災害情報の収集や伝達を行うため、県と市町を結ぶフェニックス防災システムを整備した。このシステムを活用しながら、防災だけではなく、地域住民の安全や安心を守るシステムを構築していきたい。
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(3)福祉のまちづくり |
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全国でもまだ手探りの状態の時に、誰もが自由に移動し、安心して活動できる福祉のまちづくり条例をつくった。誰にでも優しいまちづくりを進めていきたい。また、県立福祉のまちづくり工学研究所では、障害者のコミュニケーションを支援する情報システムや義足などの技術開発を行っている。産業面では、ベンチャー企業の取り組みに対して新産業創造プログラムや新産業創造キャピタルを通じて、補助や投資などで支援している。こういう取り組みもまちづくりに連動させていきたい。(貝原)
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それぞれの知事は、自分たちの県が何をすべきかに沿って仕事をしている。国レベルでも、これまで経済界の端っこにいた外資系企業やベンチャー企業が動き出している。この会の主旨は明るく前向きにいきたいと思うところにある。各自治体の首長は、明るく情報通信、福祉政策、仕事をしていても安心できるものを与えてほしい。(成毛)
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- 21世紀論が出てきているが、日本の先行きについて明るい話題が出てこない。先が見えないのは、まだ成熟社会に入って10年しか経っていないからだと思う。
- 日本は先進国の仲間入りをしたが、まだまだ閉鎖的である。今後は、経済だけではなく、芸術、文化、福祉も含めて、国際的に開かれた地域になっていくべきである。
- 県下では、この7月にアジア地域の国際的な防災情報の収集・発信を行う拠点として「アジア防災センター」が神戸市内に設立された。これは、防災分野での日本の窓口となるだろう。また、神戸市の「KIMEC構想」を進めるための情報センターも整備されている。
- 震災からの復興で何を目指すべきか、アジア・ヨーロッパ諸国との交流で近代化し、輸入も行ってきたが、人、モノ、情報がいきいきと交流できる街にしたいと思う。(貝原)
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- 高齢者・障害者は、上下の関係で助けてあげようという関係が「情報ネットワーク」によりこの関係を崩すことができる。これが横並びのネットワークである。
- また、3つのバリアを取り除くことも必要である。
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人づくりのバリア → 人材育成の必要性。
障害者にとって、技術の難しいバリア → 横文字は頭が痛い。映像に簡単な仕組みをもたらす。
法律が情報時代を想定していないバリア → 人と人とが相対することを前提に現在の法は整備されている。情報化は、人と人とが直接相対しない、つまり距離の壁をゼロにして離れた所で人が相対してやるのと同じようなことをするところに意味がある。現在の法体系を見直さなければならない場面も出てくる。(橋本)
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- 障害者福祉が障害者にとって「生まれてきて良かった」と思えるような、そのためにいろいろなことを行いたいと思う。
- 障害者も自己実現が大切である。
- ツールを使って生まれて初めて言葉を発したり、自分の思いを伝えることができたり、とてもありがたいと思うだろう。(今回各社の紹介したものを)全部使ってやろうと思う。成功例がほしい、成功体験がほしいと思う。(浅野)(会場 拍手)
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- 3知事の話しを、3点にまとめたい。
- 第1点は、「バリアフリー」の重要性。情報機器、法制度、料金のバリアフリーが重要であるし、保険・福祉・医療の各分野の壁を取り除くこと、健常者とチャレンジドの壁、それぞれをバリアフリーにすることが望まれていると言える。
- 第2点は、地方自治を企画の段階から実施、経営の段階に移行させる現代では、自己責任を持つ主体を増やす事が大切と言うこと。自治の担い手として、多くの人々に登場してもらう必要がある。ボランティア・NPOはじめ、高齢者・女性・青年をいかに社会の表に引き出すかが重要と言うことが示唆されている。
- 第3点として、地域へのこだわりを超えたネットワークの繋がりは、外へつなぐことによって開かれるし、内向きの地域情報ネットワークを強めることも大事と言うこと。
- 成功例だけでなく、失敗例にも学ぶことがある。光も影も学びながら私たちも自治の担い手として関わっていきたいと思う。(清原)
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