雪(生活あんぜん・あんしん情報誌) 2010年6月号より転載

神戸・人・文化

神戸っ子、ナミねぇ

社会福祉法人プロップ・ステーション理事長 竹中ナミ(ナミねぇ)

 「チャレンジド(障がいのある人)の自立と就労を促進する」プロップ・ステーションの活動が生まれて20年が過ぎました。

 プロップにとってとりわけ大きな出来事は、15年前の阪神淡路大震災でした。魚崎北町の私の自宅が全焼し、重度の障がいのあるチャレンジド仲間たちも全員被災者になるという状況に陥りましたが、むしろその体験に「神戸っ子魂」をかきたてられながら活動を続けてきました。

 今は六甲アイランドにある「神戸ファッションマート」というビルの中で、たくさんの人たちの応援をいただきながらプロップ活動を続けています。

 「プロップ」というのは「支え合う」という意味なのですが、プロップの活動では「人は誰でも支え合って生きて行く」というミッションを大切にしています。「障がいがある人は支えられる側の人」ではなく「障がいがある人もない人も、持てる可能性を発揮して支え合うことができる」と私は確信しています。

 

 私の娘は今年37歳の「ベィビィ・タイプ」のチャレンジドです。まだ私のことを「オカン」と認識できない重症児ですけれど、彼女の笑顔は「値千金」。私に強力なエネルギーをくれる娘です。「人は、一人ひとり生きるスピードが違う。でもどのスピードも尊い!」ということを、私は娘から教わり今日に至っています。

 

 見回してみると、私の回りには同じように「マイナスをプラスの種」と考えて、生き抜いている人がいっぱい居ます。神戸っ子の強みは、そんな「ラテン系」のところではないかなぁ、と思う私です。

 神戸の皆さん、プロップ・ステーションをこれからもヨロシクお願いします!!

 

社会福祉法人
プロップ・ステーション
http://www.prop.or.jp/


竹中ナミの写真

 神戸市生まれ。重症心身障がいの長女を授かったことから、独学で障がい児福祉などを学ぶ。1991年にプロップ・ステーションを発足し、チャレンジドの社会参画を支援。チャレンジドの国際会議を主宰し、社会保障国民会議委員などの役職も歴任。「ナミねぇ」のニックネームで親しまれている超元気な関西人。

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