日本経済新聞 6月11日より転載

障害者にパティシエの道

神戸で養成講座
社福法人など今月から

 洋菓子の世界で活躍する障害者を育成しようと、知的障害者らを対象にしたパティシエ(菓子職人)の養成講座が今月、神戸市で始まる。社会福祉法人「プロップ・ステーション」(同市、竹中ナミ理事長)などの取り組み。関係者は「障害者だから買ってあげようというのではなく、おいしいから売れる洋菓子を作れる人材を育てたい」と意気込む。

 講座は28日が初回で、12月までに5回開く。日清製粉や製菓・製パン原材料卸の日東商会(大阪府東大阪市)が協力。日清製粉の工場などで1回4―5時間の講義・実習をし、ケーキやプリンの作り方を教える。オーストリア政府から「製菓マイスター」の称号を受けた洋菓子メーカー、モロゾフの八木淳司氏が指導する。

 受講希望者4人程度を13日まで募集する。経験がある精神・知的障害者で、将来、パティシエとしての就労や洋菓子の製造販売に携わる希望を持つ人が対象。受講料は1人2万円。

 プロップ・ステーションと企業12社は洋菓子の世界で活躍する障害者を育てる「神戸スウィーツ・コンソーシアム」を今月設立した。今回の講座は活動の第1弾。

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