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毎日新聞 2007年2月16日より転載

 

 

 
 

チャレンジドの在宅就労

 
 

竹中 ナミ

 

竹中ナミの写真

 ナミねぇです。今月13〜14日、在宅で介護を受けながらもICT(情報コミュニケーション技術)を駆使して働くチャレンジドが講師となり、厚生労働省のセミナールームに集まった受講生(官僚や企業人)に「遠隔教育システム(TV会議システムと言ったほうが分かりやすいかな)」を使ってパソコン講習を行う、という日本初のモデル事業を実施しました。

  「チャレンジドの在宅就労」と、文字では簡単に書けるけど「どないしたら実現出来るんや」と疑問を持つ人は多いはず。今回の事業の実施は、日本のどこで、どんな障害のある人にもスキルアップと就労の可能性を開くのみならず、育児や介護に携わる女性や、通勤・フルタイムで働くことも難しい高齢者にも、社会参画や就労の機会を広げるシステムに繋(つな)がります。

  また技術と人柄を磨くことで、ベッドの上に居ても教師・講師になり得るという画期的な時代を切り開くことに繋がると、私は信じています。

  今回の事業の中で在宅講師を務めたのは、長年プロップの遠隔セミナーで学び、現在はプロップの在宅スタッフとして活躍する、京都と仙台在住の2名のチャレンジドです。

  「最新の科学技術を駆使して、最重度の障害を持つ人までもが、持てる力を発揮できるようにしたい!」という願いと目標を掲げて、16年前(なんと、当時パソコンは一般家庭にゼロ台やったのよ!)に、活動を開始したプロップですが、今その成果を、チャレンジド自身がこのような形で世の中に知らしめる機会を得ることができ、心から嬉(うれ)しく思っています。事業の実施にご協力下さった厚生労働省と、日ごろからプロップの活動を支援して下さる多くの皆さんに、改めて感謝を申し上げたいと思います。

  「すでにこのようなことが可能な時代が来た」と知っていただき、勇気と元気を持っていただくとともに、「すべての人が持てる力を発揮し支え合う、ユニバーサル社会」実現への大きな一歩になったことは間違いない! と確信しているナミねぇです。

(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)

 




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