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毎日新聞 2005年9月18日より転載 |
ご存じでしたか | ||
「障がい者」表記
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「害」は負のイメージ
意識まで変える流れ |
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毎日新聞の調べでは、全国でこれまで30県市町以上、うち北海道内では10市町以上が、ひらがなに改めていた。ここ2、3年、その動きは顕著で、国の障害者基本計画策定(03〜12年度)に伴って自治体で計画を立てる際、変更するケースが多い。「害」の字は「公害」「害悪」など良くないイメージがあるというのが主な理由だ。
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当事者はどう見るか。71団体が加盟する日本障害者協議会の勝又和夫代表(57)は、「不快に思う人がいるなら変えるべきだし積極的に啓発活動として取り組みたい」と話す。一方、「全国精神障害者家族連合会」や「全日本手をつなぐ育成会」では、「精神分裂病」を「総合失調症」に「精神薄弱」を「知的障害」に変更するなど取り組んできたが、「害」については正式に検討したことはないという。 静岡県立大学の石川准教授は「『障害者』がいい言葉ではないという点では一致している。自治体が、ひらがなに変えるというのは『害』に違和感があるということを伝えたいということで評価できる」と話す。 障害者を「チャレンジド(神から挑戦という課題を与えられた)」と表現する社会福祉法人プロップステーションの竹中ナミさん(55)は「言葉を変えると意識や社会のシステムも変わる。障害者の表記をひらがなに変える動きは意識が変わるプロセス」とみる。 地域で暮らす障害者の増加は確実に、私たちの意識を変えてきており、それが表記の変更に結びついているように思える。最終的には「障がい者」でも「障碍者」でもなく、ひとくくりの呼び方はなくなるような気がしている。 |
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