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産経新聞 2004年2月16日より転載

     
 
あなたの名刺に点字を
 
 
 
  from  


 「プロップのことを聞かせて」というご要望にお応えして、全国各地を講演行脚する日々が続いているんですが、そのためにドンドン減っていくのが「靴のかかと」と「名刺」です。特に名刺は昨年1年間で2,000枚くらい交換させて頂きました。私の名刺を受け取った方は必ず「あれっ!」と声をあげます。私の名刺に点字が付いているからです。

 点字はたくさんの情報を入れることはできませんが、私の場合は「プロップステーション/タケナカナミ/携帯電話番号」の三つを入れています。以前は100枚程度を点字化し、視覚障害のチャレンジドとの名刺交換にだけ使っていたのですが、今はすべての名刺に点字を付けています。

 その理由はいくつかもありますが、何よりも「話が弾む」ということがあげられます。受け取ったほとんどの人が「わっ、点字が付いてるんやね」と言って、しげしげと名刺を見つめたり、なでさすったりしてくださいます。「そうやねん、最近、名刺に点字を入れるのを仕事にしてるチャレンジド・グループが増えたので、名刺に点字を付ける人が増えたら、チャレンジドの仕事も増えるんよ」「へぇ、そうなん。知らんかった。私も入れてみよかなあ。どこに頼んだらええのん」といったふうに、おしゃべりがドンドン盛り上がります。

 友人で財務省国庫課長という仕事をしてる岸本周平さんは早速、霞が関の公務員だけでなく、もし全国の公務員や企業トップが一人100枚ずつでも点字名刺を持つとすれば、それだけでチャレンジドの仕事が増えるなあ、と私は期待しています。

 私は政治家や公務員の友人に会うたびに、「補助金やなく、仕事出してな」ってお願いすることにしてるんですが、名刺に点字を付けるというそれだけのことも、大きな一歩になるんですよね。営業トークにも役立ちまっせ! 皆さん、ぜひご検討ください。

 

写真:ナミねぇ竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)




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