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産経新聞 2003年9月28日より転載

     
 
嬉しいこと
 
 
 
  from  


 今日は、嬉しいことと、残念なことを書きたいと思います。
 
 まず残念なこと。ある会議で「チャレンジド(障害を持つ人)がITを活用して、介護を受けながらでもさまざまな働き方をすることが可能になった」というお話をしました。チャレンジドは介護を受けるために生まれてきたわけじゃなく、介護を得ながらも「目的を持って生きる」ことが重要やし、その目的が「働くこと」だという人も多い、と発言したんです。
 
 すると会が終わった後に、出席していた重度のチャレンジドの付き添い(ボランティア?施設職員?)と思われる男性が同行のチャレンジドに対して「不況で健常者がリストラされているときに何を言ってるんだ!」と声を荒げているのを聞いてしまったんです。
 
 プロップでは、チャレンジドのセミナー講師が、チャレンジドだけでなく高齢者や子育て中の女性、リストラされた壮年の方などにもパソコンをお教えしています。「働くことが困難な状況にある」という意味ではチャレンジドもそのような人も同じやからです。
 
 一人でも多くの「働こう」という意思を持った人が仕事に就いて社会を支えてくれなければ、訪れる超高齢社会は乗り切れません。重度のチャレンジドが働ける環境を整備するということは、社会を支える人を増やすモデルになるとプロップは考えているんです。チャレンジドの身近にいる人がそれを否定しないでほしい!と痛切に思いました。
 
 嬉しいことは、厚生労働省が来年度から、プロップのような、チャレンジドのテレワークを支援する組織にバックアップの予算を付けるのを決定したことです。初年度は20組織くらいだそうですが、徐々に全国各地に増やしていく計画とか。
 プロップは「チャレンジド・テレワークの実験プラント」ですから、その成功事例を基に新しい社会システムが生まれてくることは何よりの喜びです。同じ目的に向かって努力を続ける人たちと、一層連携していきたいと決意を新たにしてるナミねえです。。

 

竹中ナミ
(たけなか・なみ=プロップ・ステーション理事長)



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