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毎日新聞 2003年4月13日より転載

     
 

兵庫県と神戸市支援 ビジネス化へ挑戦

 
 
 
 
作業所商品 全国通販へ
 
 
 
 
フェリシモと福祉法人連携
障害者が作る生活雑貨を
 
 

 

 障害者の小規模作業所や授産施設で作った生活雑貨を全国販売にまで広げようと、障害者の就労支援をする社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区)と大手通販会社「フェリシモ」(同市中央区)が連携して、ビジネス感覚あふれる商品開発に乗り出した。兵庫県と神戸市も県内作業所などに参加を呼びかけており、「産官民」が連携した全国初の試み。今夏までに第1弾の商品化を目指す。【熊谷豪】


 全国各地の作業所などでは、障害者が手工芸品やせっけんなどさまざまな雑貨や食品を作っているが、商品開発のプロとの連携や販路がなく、一般の商品の販売と比べて後れを取っていた。

 このため、プロップなどは「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」と名付け、県内約400施設の作業所から商品アイデアを募集。全国に会員を持ち個性的な商品の開発・販売で知られるフェリシモのデザイナーが審査、品質やデザイン面での改良を助言し、同社の通販ルートを利用して、全国に販売する計画をスタートさせた。「チャレンジド」という言葉には、障害者は「限りない可能性を秘めて挑戦する人たち」という意味を込めている。

 フェリシモの矢崎和彦社長は「障害者の優れた感受性を引き出し、商品化できればビジネスとして十分成り立つ」と話し、プロップの竹中ナミ理事長(54)も「売れる商品を作り出すことで、福祉就労の場を『本当の働く場』にしたい」と意気込んでいる。

 問い合わせはプロップ内の事務局(078-845-2263)。