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産経新聞 2002年7月16日より転載

     
  「救済」から「自立支援」へ  
 
 
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 先月、内閣府に「新しい障害者基本計画に関する懇談会」が設置されました。現行の障害者基本法を見直し、時代に即したものにしていこうという会です。委員の1人として末席を汚すことになった私「ナミねぇ」は、いつものジーパン姿で首相官邸で開かれた第1回会合に出席しました。
 懇談会のメンバーは全国の障害者・福祉団体の代表や研究者で、長年、チャレンジド(障害を持つ人)の福祉向上に尽力してこられた方々です。「チャレンジドを納税者にできる日本に!」という新しい福祉観・労働観を提案する、いわば異端者のプロップ・ステーションを主宰するナミねぇが参画を呼びかけられたことに、時代の変化と責任を感じるのです。
 ナミねぇがここで提案したいのは「チャレンジドが誇りを持って働ける、多様な社会システムを生み出そう」ということ。つまり、救済型の福祉から自立支援への政策の転換です。
 プロップでは、肢体・視覚・聴覚・精神・知的などさまざまなチャレンジドがIT(情報技術)を身につけることで、自宅や施設で介助・介護を受けながらも自分の体調に合わせた働き方で自立に向かっています。こうした実践を「社会システム」として全国に広め、どんなチャレンジドも、このシステムを活用できるようにしたいと願っているのです。
 懇談会は、8月に知的と精神のチャレンジドを招くことになっており、ナミねぇは重度の鬱病に悩む青年と一緒に参加する予定です。ナミねぇは重症心身障害の娘が精神の障害も併せ持っていることから、多くの精神障害の人たちとお付き合いがありますが、精神状態の起伏が激しい彼らも多様な就業形態を用意することで「働く誇り」を得ることが可能です。
 重症心身障害の娘は「働く」という形での社会貢献はできませんが、多くのチャレンジドが就業可能となり、娘のような存在を護る人たちとして活躍してほしいと願っています。


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