作成日 1997年10月20日

「Challenged Art展」と記念シンポジウム開催のご案内

 プロップ・ステーションでは、コンピュータセミナー・グラフィックコース卒業生と受講生による、初めてのグループ展を開催します。メインテーマは "Challenged" です。多数のご来場を、心よりお待ち申し上げます。

手嶋雅夫氏

 チャレンジドアート展によせて

マクロメディア株式会社
代表取締役社長 手嶋雅夫



 怒ったり、泣いたりの感情を発するということの根元を考えると、自分の中に起こった概念を形にしていくという作業を行っているわけです。
特に怒ったり泣いたりという場合にはこの概念が、「気持ち」と呼ばれるわけですが、制作物を作り出すときも、この作業と同じようなことが行われているのです。

 つまり、クリエイティブの世界には、二つの過程があるということではないでしょうか。一つは、概念を生み出すプロセス、二つめは、それを形にするというプロセス。

 したがって、形にするという技術だけでは物は作ることができないということです。また、当然の事ながら概念だけで、形にする技術がなければものを生み出すことができません。

 クリエイティブの世界は、一般的にいわれる学歴や、家柄などというヒエラルキーとは無縁で、アウトプットのみが評価される大変公平な世界であるということです。(それがゆえに厳しい世界なのですが。)

 私自身がチャレンジドの皆さんとお付き合いをさせていただいて感じたことは、チャレンジドの皆さんの心の中にある感性のひだは、決して健常者に負けない、それどころか、上回るものを持っているのではないかということでした。一歩引いて言ったとしても、それは、十分対等に勝負していけるものではないかと感じたのです。

 おそらくは、大変な環境の中で生活を強いられることで、チャレンジドの皆さんが健常者よりも多くのことを、深く受け止め、感じるようになられたのではないでしょうか。

 つまり、チャレンジドの皆さんには、はからずも、クリエイティブの世界にとって必要な二つの要素のうちの一つである、概念を生み出す能力は、その感情の豊かさにおいて他よりも抜きんでている可能性があるのです。

 後は、形にする技術です。ここでは、おそらくコンピュータがチャレンジドの皆さんのお手伝いをすることができると確信しています。

 われわれは、ソフトウェアの提供やトレーニングの実施を通じて、形にする技術の習得の手助けができるのではないかと思っています。技術の習得に関しては、スタートラインは健常者と同じで、平等な環境を提供していきたいと考えています。

 つまり、平等な環境で、公平な競争ができる可能性がこのクリエイティブの世界にはあるのです。スティービーワンダーも、レイチャールズもチャレンジドなのです。皆さんの中にある創造力を信じ、それを形にしていきましょう。この世界は無限に広がっているのです。

 チャレンジドアート展が、大きな可能性をもたらすものであることを信じてやみません。




チャレンジドアート展

期間 : 10月1日(水)から10月31日(金)まで。
時間 : am10:00〜pm7:00
会場 : デジタルアートスクエア
大阪市中央区城見2-1-61(ツイン21ナショナルタワー1F)
入場料: 大人500円 高校生400円 小中学生200円

 今回の展覧会は、デジタルハリウッドThe Multimedia Schoolの「3周年記念Art展」との合同展です。

主催: プロップ・ステーション
デジタルハリウッド The Multimedia School
後援: マクロメディア株式会社・松下電器産業株式会社
デジタルアートスクエア・RingRing
協力: 株式会社ニューメディア

オープニング記念シンポジウム

日  時: 10月1日(水)pm6:00〜8:30
会  場: インターネットスクエア「RingRing」(デジタルアートスクエア 隣り)
参加費 : 1000円
基調講演: マクロメディア株式会社
代表取締役社長 手嶋 雅夫 氏
「マルチメディアにおけるchallengedの可能性」(仮)
Challengedアーティストとゲストによる、パネルディスカッションなど

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