作成日 1997年1月5日

セミナ〜れぽ〜と

★ Macセミナー

いはちさん、Macセミナーの紹介をせいというお達しなんですが、どうします?
どうしますて、せい、ということなら、せねばなるまい。とはいえ、前号でもセミナー紹介したのに、今回は何を紹介したらええの?
前のはちょっと抽象的でしたから、今度は具体的に、ということじゃないでしょうか。
具体的に、ねえ。たとえばどんなふうに?
機種が何で、メモリがどうで、OSのバージョンがなにで、とか……
あのなあ、それ、印象悪いよ。この団体はChallengedの在宅勤務の可能性を開拓してるんや。ゆうてみたら、社会の仕組みを変えよということやで。そんな些末なことはだれの関心事でもない。
ほんまですか?
ん? ちょっとはあるけど。
やっぱり。じゃあ、わたしがインタビュアしますから、いはちさん答えてください。
わたしがボケで、君がツッコミやな。
まあ、そうお思いでしたらそれでも構いません。(ほんまにボケっぱなしやったらどうしょう……)

Macセミナーのウリは何ですか?
内容は濃さやね。その辺でやってる凡百の入門講座なんかよりずっと実践的やし、懇切丁寧やで。
週1回、たった半年でものになりますか。
そら、無理やろ。
なんか、ちぐはぐですね。
ほとんどの受講生が初めてMacにというか、パソコンに触れるんやからなあ。半年通ただけで在宅勤務できるようなセミナーあったら、紹介してくれへんか。
よく詐欺まがいの在宅アルバイト募集にそういうのありますよね。いはちさん、引っかかったんですか。
おかげさんで。
(どういう意味なんだろう?)それはそうと、受講生の方たちはセミナーに通う半年間にどんな体験をなさるんですか?
実際のセミナーの時間は、導入期間のあとは、プロフェッショナルが使うアプリケーションの基本操作を練習します。
たとえば?
Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorですね。
デザイナーを養成されるんですか。
デザイナーさんがボランティアにいればそういう基本知識や技法を学べるんやけど、残念ながら今は…… それに、この手のアプリケーションはデザインだけやのうて、広い意味でDTPの基本アプリケーションでもありますんではずす訳にはいきません。
DTPって何です?
よう聞いてくれた。言葉自体は、DeskTop Publishing というんやけど、要するにパソコンやワークステーションなんかを使って本やらポスター・チラシなんかを作るっちゅうことですわ。
じゃあ、プロップはDTPも在宅勤務の視野に入れてるんですね。
さあ……
さあ、って。
まあ、視野には入ってるんやろけど、見ているかどうか、単に、下請け競争に打ち克つ技術指導をするつもりはないんで。DTPというものが Challenged が自宅で仕事をするということに画期的な意味があるんやったら話は早いんやけど、まだようわからん。業種自体が古くからあって、企業関係や慣例がけっこうきびしいから、今すぐ飛び込める場所やない。せやけど、可能性という点では捨てられない。活字や手描きの図版はなくなりはせんやろけど、需要は減る。加工・搬送が簡単なデジタルデータ化が、業界を変えつつあるのは事実や。新しい芽に対応できる実績は積んどかなあきません。
デザインもだめ、DTPもまだ。それでもやるんですか。
よろしおまっか、セミナーに来はる受講生は今の企業や制度からはじきとばされてたり、中で苦しんでたりする人がほとんどなんや。つまり、既成の需要に対応しようという方向では意味がないんや。デザインやDTPの基本アプリケーションではあるけど、インターネットのWEBページやマルチメディアプロダクト制作にも絶対にいる。こっちの方がだれもが新規参入するわけやから可能性がある、かも知れん。
やっぱり、語尾が弱いのが気になるんですが。
気にしなさんな。きれいごとならべても厳しいもんは厳しい。これやりたい、とゆうても制度が邪魔したり、企業がそっぽむいたりしたらセミナーなんか吹っ飛んでしまう。セミナーの機械ひとつ、場所ひとつとっても主旨に賛同してもろて、提供を受けんとでけへん。ノートパソコンはAppleから、今セミナーやってる場所と機材は大阪YMCAから、ソフトウエアはアドビシステムズから、それぞれ提供を受けてる。独立独歩、勝手な主張だけしてても、道は開けん。わたしらは道を開きたいんや。
なんだか、悲愴になってきます。
せやけど、セミナーではあほゆうたりして、楽しいやってるねんで。実際、こういうアプリケーションソフト使えるようになるとパソコン触るのが面白なってくるし、面白なってくると腕も上がる。腕が上がると何ぞしとなってむずむずしてくる。内から力が湧いてくる訳や。ワープロが達者になったり、表計算をいじくったりするより、絵を描く方が面白いと思えへん?
なんか、もひとつのセミナーを意識してません?
ははは、わかりまっか。
えらわかりです。内輪でライバル意識もってどうすんですか。
誤解のないようにゆうときます。セミナーがふたつあるのは、それなりの経緯やニーズがあるからで、別に保険かけてる訳や派閥がある訳やからやおまへん。むしろ、アプリケーションは、使いやすさは別にしてもどっちのプラットフォームにも載る方向やし、プロップでも機種別とちごて、テーマ別セミナーも考えてます。
将来のことはまた、別の機会に。Macセミナーですが、受講生の方はどんなふうにMacを使ってらっしゃいますか?
いろいろやね、当たり前やけど。
やっぱりもとから絵を描いてたとか、パソコン少しは触ってたという人の方が、より有効に道具として使てはるね。新しい手段に巡りおうて、画風を発展させはったり、必ずしも絵を描く道具としてではなく、通信機能に有効性を見出されたりしはる。パソコン操作が目的やないから発想が自由なんですな。羨ましいもんです。初めての人は、ほう、そんなことができるんですか、ほんで、それがどない仕事になりまんねん、てな感じの人もいてはるみたいです。パソコンという文明の利器とご自分の道具観というかなんというか、まだうまいこと咬みおうてはれへんのやね。わたしらの力不足を感じるときです。この企画が連載になるんやったら受講生一人一人の声を取材さしてもらいまっさ。
ボランティア同士の連携はうまくいってるんですか。
Macセミナーではまあまあですな。セミナーのテーマや方向が決まってますから、メインの講師が中心ですが、補佐するボランティアもそれに沿うてやればいい。でも、Macが好きやからでもないんやろけど、いづれ劣らぬ石頭ぞろいやから、微妙なスタンスの違いはあるみたいですな。
セミナー運営の妨げになりません?
暇人がそんなんやったら些末な議論に時間を費やすんやろけど、みな、めちゃくちゃ忙しいからね、目的がだいたいおんなじやったら細かいとこはかもてられん、ゆうとこかな。
なるほどねえ。あとですね、Challenged の在宅勤務といいながら、セミナーへは毎週来てもらうというのはなぜですか?
チャンネルのひとつ、ですな。実際、毎週遠いとこから通て来るんはたいへんですわ。せやけど初めてパソコン触る人に通信で講義という訳にいかんでしょ。初心者の技術習得にはやっぱり、それこそ手取り足取り練習してもらうのが有効やと思います。セミナーで、お互いが使う言葉が何を意味してるのか理解し合えたら、ほんで基本的な技術が習得できたら、後は自分の家で練習したり、パソコン通信で質疑応答したりしてスキルアップできるようになりますけど、最初の半年は無理やね。セミナーで、その日に習たことは文字やファイルに整理されてパソコン通信ネットに載せて、セミナー受講生以外の人も内容がわかるようになってます。ここだけの話、これはMacセミナーだけですけどね。
(いはちさん、かなり、意識しているな。)ではそろそろ、おしまいにしましょう。何かおっしゃりたいことはありませんか。
ひ、人出が足らん。ボランティア欲しい。なんであっちが多いんや! 可能性も中身もこっちのほうがエキサイティングやねんど。なんでや、どういう了見や……
いはちさん、あばれないで。ねえ、落ちついてください。
(いはち、取り押さえられる。)
---暗転---
次号へ続く……?

レポーター:いはち
(ボランティア:田中秀明 )

★ Winセミナー InternetにChallenge!!

 大阪ビジネスパーク内にある「info web cafe」(富士通ビル)のご協力により、9月13日から10月11日までの間、計5回の日程で「Internet講座」が開催された。
 第1回目は、講師の日本総合研究所サイエンス事業部:上杉栄二氏からInternetとは「世界中の種々のネットワークを大きく一つにまとめたもの」と説明していただいた。早速、受講生はcafeに並ぶInternet専用のパソコンで、その世界を体験し今までのセミナーとの違いを実感する事になった。
 画像が出てその上音声までも、とこれまでに学習した一太郎や、Windowsとはまた違う不思議な面を持つものである。それは、情報が次から次へと溢れ出ている現代社会において、必要不可欠なものとして君臨していると、興味を持って認識できる反面、その情報の波の中に存在できないと、不安や錯覚などを抱きはしないかとも考えさせられた。
 さておき、Internetに触れている受講生の様子は、楽しそうであった。

 第2回目の9月21日は、大阪大学基礎工学部情報科学工学科の魚井宏隆講師を招いてのものであった。前回よりもより高度な内容の話が多く登場した。受講生一同、魚井先生の言葉を一言も漏らさないように聞き込んだ。

 第3回目の講習会から、「HTML」を使い“Home Page”を作成していくことになった。講師は、松下情報システム(株)の岡善博氏である。
 「HTML」という言葉を大半の受講生は初めて聞きいたであろう。「HTML」とは、Hyper Text Markup Languageの略で、Home Pageを作成するために使う言語であると岡氏は説明された。
 それから、岡氏が作成したサンプルを基に、自分たちのHome Pageを2人一組で作成してゆく作業になった。この作業は、受講生の個々の写真を挿入し、それに加えてコメントを織り込むというものであった。しかし、元来不慣れなものでサンプルはあるにしても、なかなか思うようにはかどらず、ボランティアのみなさんの協力を得ながら、進めていくことになった。もし、これを自分一人でやらないといけないならば、非常に難しいものであろう。

 第4回目も、前回に引き続きHome Page を作成する作業であった。前述したようにHTMLを入力し、写真を保存させブラウザー(Home Pageを見るためのソフト)を立ち上げることに成功したとき、歓声があちこちであがった。

 最終日の10月11日の前半は、できあがったHome Pageをサーバーに移す作業や、作品の手直しをするという、いわゆる受講生にとって追い込みの作業であった。後半は、順次完成された作品からスライド画面上で全員に紹介されていった。
 最後に、みんなでやってきたことを振り返りながら、それぞれの感想を述べて終了した。

 Internetを本当に理解するには、5回のセミナーだけでは時間が足りない。また、満足のいくHome Pageを作成するに当たっても、時間が少な過ぎると感じた。しかし、Internetを通じ、Challengedの新たな就労の窓口が広がったのを、実感したのであった。

レポーター:ぽんぽこ
(受講生:大西春愛 )


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