作成日 1996年9月17日

プロップ俳壇

井上雅友   

 九十九人も来よ、あとの一人も来よ。

 これは有名な俳人、高濱虚子(たかはま・きょし)の言葉です。勿論、わたくしも九十九人の中の一人(0・九人かも)にしか過ぎません。しかし俳句の喜びは味わえるものです。「プロップ俳壇」はその喜びを皆様と共に味わいたく、プロップネットに開設したユーザーボードです。
 この「FLANKER」にページを給るなど考えても居ませんでしたので、どの様に書けば良いか分かりませんがプロップステーションの皆様とネットを通じて俳句の楽しみを分かち合える喜びをこのページから少しでもお伝え出来ましたなら、それこそが「プロップ俳壇」へ俳句を出句して下さる方々の喜びと信じます。勿論私もその中に含まれております。
 今回ご紹介するのは、四月十四日に開催された「オフライン
ミーティング」に集まったものとユーザーボードにて行われた「第一回電脳句会」の作品です。
ハンドルネーム 井上がゆう   


報ありて大工の背中過ぐる春風   うめ吉
  娘を病院に送りて
初夏や子の声を背にダイヤルす   

ナミねぇ
春の空たなびく雲は春の雲   すずきしげあき
春の空考えたけど時間切れ   げんた
海へだて桜なつかし春の空   BILLY
風薫るアルカイックの弥勒かな   亀万年
さえずりに見上げた若葉影ふたつ   みみみ
突然の雪に驚く春の空   小船隆一
パソコンへ己がため息四月馬鹿   京愛
一年を過ぎし我が家や夏に入る   優子
年月もおぼろに流る春の空   YANBARU
緩やかに花が舞う舞う空かすみ   MOR
春の空ベットがわりに夢を見る   くぼ りえ
帯を解く鏡のむこう若葉揺れ   久美子
春の雲シーツにつめてひとねむり   つきのうさぎ
風薫る山街野原にリフレッシュ   一枝
風薫るはるか根雪の伯耆富士   たけさぶろう
春の空寒波が戻る花見かな   永盛智久
風薫るまたもう一つ握り飯   かわきもの
蛇の尾の暫し光に晒されん   井上雅友
見上げればどんより曇った春の空   児島加世子
風薫る仮設で友と昼寝する   なまけもの
  カナダにて
道化師の初舞台らし春の街   

adachi
ひねれどもひとことも出ず春の空   USW
川沿いに流れる帯や薄桜   santa
駅舎裏蛍光色の若葉かな   IKU
春の空桜の下の凌ぎあい   tomura
さあ五月連休終わったさびしいな   佐々木淳夫
我が国もインターネットの風薫る   水口克子
パソコンのセミナー終えし春の空   KAZU
花のじっと動かぬ春の雲   久保広子
春の空桜の下のお弁当   伊東史恵
春の空、今年の桜、長持ちだ。   佐々木淳夫
春の空桜並木に微笑んで   服部素子
春の空さくらに映えて美しい   鈴木真理
新緑の気持かろやか春の空   岡 善博
春の空偉大なるかな雄渾の   松野紀子
春の空さそわれるがまま雲の上   斉藤倫子
ベランダをほのかに照らす春の空   松野里栄
クリスタルタワーにうつる春の雲   富永智予
孫の飛行機見出せぬまま春の空   市田恭子

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