作成日 1996年9月17日

セミナ〜れぽ〜と

★ 通信セミナー

 「昨日のセミナーの復習をしてたんですが、どうも家でやるとうまくいかないんです。もう一度教えてください。」
 こんな質問が時々載るようになった。プロップネットの通信ボードでの出来事である。
 ボードには大きく分けてBボードとUBボード、それにLボードの3種類があり、先のような質問のやりとりは主にBボードの中で、「こんどオフミやりません?」などと気軽な会話をしたり、趣味の俳句を投句する等々の楽しいやりとりはUBボードの中が盛んである。
 もちろんプロップネットには「なんでも福祉情報」や「明るい車いすLIFE」等のチャレンジド向けの専用ボードや、Macセミナールーム、98セミナールームなど特色あるボードがたくさんあって、いつも最新の話題で賑わっている。
 そのせいか近頃は、新しく参加した受講生やボランティアのメンバーから「自分もプロップネットの通信に入りたい」という希望が増え、事務局もうれしい悲鳴を上げているようだ。
 ところが希望者の多くは初めて通信をするという人が大半で、具体的な通信のやり方がよくわからないとの声が多々聞かれるようになった。
 プロップでは早速これに答えるべく、毎週金曜日に98セミナーの会場を提供して戴いている日本電気株式会社のご協力を仰ぎ、プロップネット「通信セミナー」を開催した。
 4月13日(土)午後2時、会場には受講生、付き添いの方々それに昼過ぎから準備に追われていたボランティアの面々と総勢50名近くの人達が集まった。
 正面には大型のプロジェクターがあり、すでに通信画面の一部が大写しにされている。プロップウィングの鈴木所長の挨拶と講師紹介に続いて通信ネットワーク部門の坂上部長(通称/うめ吉)の講義がスタートした。サブ講師にこれも通信の超ベテラン通称「光る川・・朝」こと朝ちゃんがスタンバイ。講師用にセットされたコンピュータの画面を見つめる。
 受講生一同も配布されたテキストとプロジェクターの画面、そして講師のうめ吉先生を交互に見つめる。
 初めは通信概論。次に具体的な説明へと続く。朝ちゃんの操作で実際にプロップネットにアクセスした状態を画面に写し出し解説。次々と変わる初めて見る画面に、受講生も興味津々の表情だ。
 その後小グループに分かれて実際にプロップネットにアクセスしてみる。受講生は講師の先生やボランティアのメンバーに助けられて無事ログイン。受講生の皆さんも「初めての経験でドキドキした」「理論は難しそうだったけど実際にやってみると意外と簡単に繋がった」「パソコン通信には前から興味があったのでこの機会に是非チャレンジしてみたい」などなど感想も様々。3時間余りのセミナーもあっと言う間に終了した。
 プロップでは今後も機会があれば同様のセミナーを開いて、皆さんに通信の勉強をして欲しいと考えている。参加したボランティア達からも「実際に受講生が自宅のパソコンで通信するとなればモデムや通信ソフトなど乗り越えなけれなならない壁がいくつかある。でも今回のセミナーで、ひとりでもネットへの参加者が増えれば大変うれしい。設定に関しては受講生の家庭へ伺ってお手伝いも考えている」と心強い意見が出た。受講生諸君の多数の通信参加を切に望みたい。

レポーター:santa
(ボランティア:宇田川純一)

★ WINDOWSセミナー

 前期の98セミナーは毎週金曜日の6:30から8:30の2時間にわたり、大阪城公園近くの大阪ビジネスパーク(OBP)にあるNEC事務棟2階セミナールームをお借りして開かれました。
 常時30人以上の受講生とたくさんのボランティアの方々が来られました。又、ナミねぇ(竹中代表)のPRの成果?から新聞やTVの取材も多くて、生まれて初めて新聞に載ったりTVに映った人もたくさんいました。
 セミナーは1月から6月の半年間のコースで、WINDOWS95を基本にエクセル、一太郎、パワーポイント、アクセスの各アプリケーションソフトの勉強をしました。
 1月から2月は、WINDOWS95の基本操作。つきのうさぎ先生が講師でした。
 最初はコンピューターを初めて触る人が多かったので、マウスの使い方、クリックやダブルクリックなど練習しました。
 マウスを使うのは、受講生にはなかなか難しく、特にダブルクリックは大変でした。しかし慣れてくると各自工夫をして出来るようになりました。
 その後はファイルのコピー、フォルダやショートカットの作り方、フロッピーディスクの使いかたなどを勉強し、WINDOWS95に付属のトランプゲーム等にもチャレンジしてコンピューター(WINDOWS)の操作に慣れる訓練をおこないました。
 3月から4月中旬にかけて表計算ソフトのEXCEL。
 講師の先生は、ノンちゃん先生とつきのうさぎ先生。
 これは、表形式の計算等をするソフトで、セミナーでは仮想店舗をつくり、売上額を代入して、数字を入力して計算練習をしました。
 一旦計算式を入れて置けば、数字を入替えても自動的に計算をして表を完成してくれるので、あらためてコンピューターの賢さに驚いてしまいました。作った表をつかって色々なグラフも作成しました。ツール機能を使うと簡単にグラフがつくれてこれにも感激しました。
 4月下旬から5月中旬はワープロソフトの一太郎。
 santa 先生が講師の「一太郎地獄の特訓」でした。
 ワープロというのは、前から皆さんもよく使っていたでしょうが、パソコンでは無くワープロ専用機の人も多く、カラー印刷出来ない機種も多かったので、ここで勉強が出来て大変よかったです。
 初回のセミナーは、単語の登録や短文の登録をしました。これをマスターしておけば、一文字打つだけでその単語や文が出てくるので、入力が苦手の人には特に便利です。
 一太郎のセミナーでは作文の宿題も出て、それを使って文書校正をしたり、カラーの文字で飾りを付けたりしました。その他、一太郎に付いている手紙やビジネス文書の例文を使って、名前のところを自分の名前に替えて文章を作ったりしました。
 5月後半の2回はPOWERPOINTのセミナーでした。
 講師はマックの講師いはち先生。
 POWERPOINTというのはプレゼンテーションのソフトで、例えば会社で発表等に使います。これは、今まであまり馴染みのないもので、最初は講師の先生が作られたスライドを見ました。画面がカラフルで音なんかも出て楽しかったです。
 その後で、自分たちでも作ってみました。
 6月からの最後の授業はデータベースソフトのACCESSでした。
 最後の講師は、JIJI大先生です。
 ACCESSを使うとどんなことが出来るかを習いました。
 最初は、競馬ゲームでした。それから写真入りの名簿リストなどを見せてもらいました。
 こういったゲームやリストは、このACCESSで作ることが出来るということです。自分専用に何か作ることが出来そうなので、これからもっと研究をしてやってみたいと思いました。
 最後にセミナーを終えての感想ですが、僕はプロップのセミナーで初めてコンピュータを触ったので、最初のうちは不安と緊張でいっぱいでしたが、先生方やボランティアの人達がとても丁寧に教えて下さったので、だんだんパソコンのことが分かってきました。そしてパソコンをやるのが楽しくなってきました。
 セミナーは、皆さんそれぞれ、色々と目的を持って通って来ているので、授業中は真剣に取り組んでいますが、厳しい中にも、たまには笑いもあって、楽しく勉強出来ました。
 これからは、このセミナーを機にもっとパソコンの勉強をして、なんとか仕事につなげたいです。そしてプロップのいう「納税者」になりたいと思いました。
 半年間、プロップのナミねぇこと竹中代表と鈴木さん、講師の先生はじめボランティアの皆さん、ありがとうございました。

レポーター:すし太郎
(受講生:永盛智久)

★ Macセミナー

 世にパソコンセミナー数あれど、Challengedを対象に、しかもMacintoshとWindowsの豪華二本立てなんてところは、プロップステーションのほかにはありますまい。よそさんがなんでやってないかとゆうと、儲からんし、やってもしゃあないと思いこんでるからでしょう。ではなんでここでやってるのかとゆうと、セミナーは目的でも手段でもなく、ある種の根性と意地のかたまりだからです。プロップステーションのひとつのプロセスとしてあるパソコンセミナーは、Challenged の声を直接把握し、分析することに始まり、講師や会場をボランティアで運営するという状況に強いられた、しかし結果的には逆転とも言える発想にもとづき、結果より実績を優先する冷徹な態度と、足と勢いで稼ぐ渉外の力とで成り立っています。その結果、実際にはどんなセミナーになっていて、なにが結実しようとしているのか、ここでは、プロップステーションが誇るパソコンセミナーの雄(筆者が勝手に決めていいのか)、Macセミナーをご紹介いたしましょう。

*       *

 さて世の中には、おれはMac派だ、わたしはWin派よ、と違いを理解しているか、趣味のはっきりしている人がいる一方で、どっちも聞いたことはあるがどう違うかよくわからない、あるいは違い以前にパソコンといえば Windows 95の載ったテレビ付き箱形機械しか思い浮かばないという人もいらっしゃいます。ふつうは後者にあてはまるでしょう。しかしながら、Windows なんて聞いたこともない、パソコンとMacとどう違うの、という人はまずいらっしゃいません。そうです。Winセミナーにはさまざまな方がいらっしゃるのに対し、Macセミナーの受講生の特徴は、 Windows というものの存在を知りながら、Macを選択して受講を決めた(か、あてずっぽうで選んだ)人に限られます。つまり、始めから目的意識がはっきりしていたり、批評眼をお持ちだったりするケースが多いのです。
 そういう理由からでしょうか、セミナーはおのずから目標に向かうという意思を共有し、当初から一体感が醸成されます。講師も事情は同じですから、セミナーに集う人たちは効果的に切磋琢磨し、否が応でも理解は深まり、技能は高まります。よくわかっていなかった人も朱に交われば式に知らぬ間にいっちょまえのパソコンつかいになってしまっています。
 並みいるボランティア講師陣は、パソコンOS=MacOSしか思い浮かばない人、Macで口に糊する人、Macだけをとやかく言う人、Macが自分の一部の人など、知識人の鑑のような人で多くを占められています(複数回答)。もちろん参集するボランティアは健全な常識を持った立派な社会人ですのでご安心を。(言い訳するところが怪しいか。)
 会場は、今期から大阪YMCA専門学校に一室を提供していただき、ひとりで1台のマシンを思う存分操作することができます。もちろん全体はネットワークケーブルで結ばれ、いくつかのLANが可能です。またMac4〜6台に1台の割合でスキャナやカラープリンタを使うことができます。ときにはYMCAの学生さんも参加され、交流の機会も得ることもあります。

*       *

 Macセミナーでは受講されている方の意向や講師の意見などを参考に状況に応じて柔軟なコース設定をしており、今期は初心者を対象とした初級コースと、前期から受講を継続されている中級コースの2コース制をとりました。
 初級コースでは初めてパソコンに触れる方への手ほどきを経て、統合ソフトでMacのコンセプトを学びます。その後、受講生の意向や講師の見識、さらに世の中の動向までも視野に入れて、硬直しない的確なカリキュラムを設定していきます。(いきあたりばったり、なんて言わないでね。)
 中級コースは、前期にデザインソフトの定番Adobe Illustratorをマスターされた方の内、約10名の方が、やはりフォトレタッチソフトの定番Adobe Photoshop に挑戦しています。
 この先、本格的にDTPの領域に突入するのか、デザインワークに特化するのか、目先の需要であるWebページの制作技術に磨きをかけるのかについては、まだ、可能性が楽しみ、という段階です。Photoshop セミナーの流れの中で受講されている方それぞれのテーマがどう発展していくのか、あるいはプロップステーション営業事業本部(いつの間にできた?)が何を仕入れてくるのかにもよるでしょう。前期、艱難辛苦を乗り越えてAdobe Illustratorというプロ用アプリケーションを使えるようになったという喜びや自信は、今期の中級セミナーの原動力です。きっとまたひとつのかたちが自分の中に生まれるはずです。
 Macセミナーはパソコンやアプリケーションのとおり一遍の紹介でこと足れりとしません。受講されるからには成果をお持ち帰りいただきます。半年ないし1年後、その成果は、ご自分のライフスタイルに統合され、生活を豊かにするでしょう。あるいは、ご自分の環境で何らかのかたちで生活手段の一助となるかも知れません。前期受講されたみなさんには、セミナーで学んだ何事かが自分にとって有意義であったと確信していただけたと思います。前期終了後、半数以上の方が受講継続を希望されたことがその証ではないでしょうか。
 プロップステーションはChallengedにとってバリアフリーな環境のひとつの可能性をパソコン通信に見出しています。Macセミナーでは、プロップとセミナー、受講生と講師、あるいは受講生同士の連絡やファイル交換は、ファイル転送やGUI操作に秀でたFirstClassを使ったパソコン通信、プロップFCネットを活用しています。Macセミナーの特徴のひとつでもあるのですが、かつて受講生だった人がボランティアとして参加されたり、セミナーを見学しに来られたりします。そういう人々やボランティア、ネットだけ参加の人など多くの人々でFCネットは意見交歓や情報交換の場となっています。

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 いま、Winセミナーでパソコン相手に奮闘されている方、やり直すのに遅いということはありません。もし、ほこりをかぶる運命のハードウエアをまだ買っていないなら、あなたは幸運です。Winで挫折感にさいなまれたとしても、全然平気です。次はMacセミナーでMacを体験して下さい。同じパソコンという名前を持ちながらこうも使い勝手が違うものかと、驚嘆されるはずです。
 まだ、プロップのパソコンセミナーを受講されていないなら、あなたは幸運です。どちらのセミナーにするか迷う必要がないのですから。
 わたしたちが奮闘しているのはパソコンに対してではなく、自分自身のテーマに対してです。機械やソフトの流儀に無理矢理従わされてエネルギーや時間を浪費するのはたいへんもったいないことです。パソコンといえど、いざ買うとなればひと財産はたかねばなりません。今、ここでする選択が、自分の可能性を発見し、人生を豊かに過ごすことができるか、機械操作に振り回され、忍耐と徒労の人生に終わるかを決定します。
 目標をお持ちのあなた、愛すべき道具に出会いたいあなた、Macセミナーは解答を用意しています。
レポーター:いはち
(ボランティア:田中秀明 )
 WinにあってMacにないものといって、多くの人がああ、そうやね、とうなずくと思われることは、シェアの大きさでしょう。でも、よく見れば、事態は違ってきます。アカデミックな領域ではMacは互角以上です。インターネットの世界でもMacの方が環境が整っています。マルチメディアタイトルのほとんどはMacで制作しています。デザインの領域ではMac以外に考えられません。出版の世界でも、Macの独壇場です。えっ?偏ってるって? そうです。Macは人類の文化に貢献する分野で使われているのです。(←そない、たいそな……)

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