第11回チャレンジド・ジャパン・フォーラム(CJF)2006
国際会議 in TOKYO 議事録

くぼりえさん(絵本作家)ネット中継

竹中/ ここで生中継に画面を切り替えます。

今日ご出演のゲストの方の中で、くぼりえさんが1ヶ月ぐらい前から体調を崩して、来られなくなりました。ギリギリまでおいでいただけるかどうか考えていましたが、今日は枚方のご自宅とインターネットでつないでいます。

りえさんから皆さんにお伝えしたいこと、お願いしたいことがあるということで、つないでみます。午後からのチャレンジド・セッションでは、りえさんと、また、りえさんにすばらしいお仕事をさせていただいているイオン化粧品の河端社長とのセッションもあります。ここは、まずりえさんからメッセージをいただきます。

りえさん、こんにちは‥‥。聞こえますか‥‥。音声だけつながっていないようです。

りえさんは、2月くらいから「しんどいな」と言っていました。最初はそれが心臓や呼吸の具合が悪いせいだとわかっておらず、単に疲れているんだろうと思っていたそうですが、どうもそうでないということで、1か月ほど前に救急車で緊急入院されました。

りえさんの障害は、全身の筋力がないというもので、作品制作のときも、全身コルセットで体を起こして、コンピュータあるいは指に絵筆をはさんで、わずかに動く手指でゆっくり絵を描いておられます。

今回は、体の筋肉だけでなく、呼吸器のほうも弱っていたそうです。国立病院機構・刀根山病院という筋ジストロフィーなどの筋肉の病気専門のところに入院され、やっと復帰され、何とイオン化粧品の来年のカレンダーに向けての制作を再開をされたそうです。皆さん楽しみにしてください。

さあ、つながりましたか? まだのようですね。

このインターネット中継には、NTTネオメイトの多大なご協力をいただいています。

プロップ・ステーションでは、ITを活用してチャレンジドが社会で活躍できるようにするという活動をしてきました。ITはこの10数年間、恐るべきスピードで発達して、かつて想像できなかったようなことができるようになりました。それによって、たくさんのチャレンジドがお仕事したりできるようになりました。残念なことに、私自身はパソコンなどの機械系がめちゃくちゃ弱くて、何か機械トラブルがあるとホンマにお手上げです。

さて、今日りえさんの作品はホールの外で見ていただけます。絵本2冊の販売もしています。ぜひ手にとっていただき、購入もしていただきたいと思います。

先ほど、麻生太郎外務大臣が、「補助金はいらない、仕事をくれ」という話にビックリしたというお話をしてくださいましたが、くぼりえさんはまさに命を削りつつ、そういう姿勢で作品を生み出しています。その絵本を、同情でなく、作品の価値をわかって買っていただきたいと思います。彼女自身がそういう話をしたいということでした。

皆さんの、お荷物の中に、りえさんの「こぐま一家の楽しい週末」というポストカードが入っています。イオン化粧品の河端社長のご厚意でそろえていただきました。これも、ぜひご活用いただきたいと思います。

私が本の帯を書かせていただきました『ねっ やまちゃん』という絵本も外で販売しています。これは重度のチャレンジドの弟さんを持つ石川美咲さんという方、中学生のお姉さんが弟のことを、愛を込めて絵本にしたものです。

さて、つながりましたか? りえさん、聞こえますか?

くぼ/ 聞こえます。

竹中/ いま、りえさんの絵本のアピールなどをしました。この後、お昼休みになりますので、ぜひ、りえさんから一言、お願いとアピールをしてください。

くぼ/ こんにちは。くぼりえです。第11回チャレンジド・ジャパン・フォーラムの開催おめでとうございます。今日はそちらへうかがう予定だったのですが、体調を悪くして入院してしまいまして、先日退院したばかりです。いまは自宅療養中で、このような形でフォーラムに参加させていただくことになりました。皆さんとの交流を楽しみにしていたので、本当に残念な気持ちでいっぱいです。申し訳ありません。

今回のフォーラムでは、皆さんにおみやげとして、くぼりえオリジナルのポストカードをお配りする計画を、以前から立てていました。準備する前に突然入院してしまって、「ああもう間に合わない、どうしよう」と思っていたんですけど、イオン化粧品の河端社長のご好意で、今日の日に間に合うように用意してくださいました。ありがとうございます。

そのカードには、私がプロップで勉強始めて約11年、これまで支援してくださった方々への感謝の気持ちと、展示コーナーを見てくださった方々へのお礼の気持ちを込めています。ぜひぜひ持って帰ってください。

それから、今日は、そちらに私が制作したカレンダーや絵本の原画を提示するコーナーと、絵本の販売コーナーを作ってもらいました。販売コーナーには、出版社のほうから2人と私の友達2人が手伝いに来てくれています。ありがとうございます。

そこで販売する絵本は、2種類あります。ひとつは、ちょっと前に発売した『バースデーケーキができたよ!』という、私の実体験を元にしたフィクションです。車いすの女の子がさりげなく出てくる、とても楽しい絵本になっています。

去年、その絵本がJBBY (日本国際児童図書評議会)の「世界のバリアフリー絵本展」で推薦図書になりました。とても嬉しいです。

それから、もう1冊、『およぎたいゆきだるま』という絵本があります。これは数年前に幼稚園などで読んでいただける月刊の購読本として出版されましたが、今回、一般市販本として出版されることになり、出版社に無理を言って今日のフォーラムに間に合わせてもらいました。

両方とも、1点ずつですが原画をそちらに展示させていただいているので、見比べたりして楽しんでもらえたらと思っています。

それから今日は、本当は会場にうかがって皆さんとお話したり、実際に絵本を買っていただいた方と時間を過ごせるのを楽しみにしていたのですが、行くことができなかったので、何か気持ちを伝えたいと思って、急遽、サイン入りのシールを作りました。全部直筆です。1枚1枚心を込めて書いたので、ご希望の方は、絵本の販売コーナーでそのシールをもらってください。

このあと、昼休みだと思いますが、時間がたっぷりあるようなので、ぜひぜひこの機会に、展示コーナーと販売コーナーをよろしくお願いします。

午後からの対談のコーナーでもまた、参加させていただきますので、よろしくお願いします。では後ほど。(会場:拍手)

竹中/ まあ、りえさん、メイクもばっちりやし、いつもより顔、きれいやん(笑)。
テレビ映り、ごっつい気にしてない?

くぼ/ (笑)

竹中/ 女性ですから、美しくありたいというのは、どんなときも大きなエネルギーになるんですよね。

ベッドの上から皆さんにメッセージとお願いを送った、くぼりえさんでした。

お昼休みに、りえさんの絵本、石川美咲さんの絵本、それから、私たちの機関誌の表紙を描くという形で最初から応援してくださっている鈴木純子さん(絵本作家)の作品も出ていますので、どうぞご覧になってください。

あと、スタッフで真っ赤なTシャツをきている人がいますが、それはチャレンジド・ジャパン・フォーラムのオリジナルTシャツで、赤と白とがあります。先ほど、ユニバーサル宣言のときにここに上がってきた川本くん、ベッドの上で上育堂うえいくどうという会社を立ち上げて社長をやっている川本君のコーナーで販売をしています。

彼らが心を込めて作った作品や商品を手に取っていただければうれしいです。

以上をもちまして、「チャレンジド・ジャパン・フォーラム2006」午前のプログラムを終了させて頂きます。

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