プロップ・ステーションが福祉を変えてゆく!
日本でも、関西のNPO・非営利団体が『チャレンジド』という言葉を広めつつある。
「障害者を納税者に!」を合言葉に7年前に発足した障害者の就労支援団体プロップ ・ステーションである。
プロップ・ステーションは、重度の心身症害児の母・ナミねぇの小さな草の根運動から生まれた。
ナミねぇは、障害を持つ人は福祉施策の対象とされ、働くチャンスと方法を与えられず保護の必要な人たちと位置づけられてきたことに疑問を持っていた。それでは障害者の生きる誇りや意欲を奪っていることにならないかと。そして障害者の人たち自身が労働意欲を持ち、コンピューターが自分たちの大きな武器になると期待していることを知った。
プロップ・ステーションは即時に行動を開始。当時、健常者にさえ難解であったコンピューターの技術訓練のために、関西でセミナーを開催し、並行して関連企業に参加と協力を求めた。
この7年間、ナミねぇは、彼らの学習と働ける環境をつくるため邁進してきた。企業に日参して仕事を受注しながら理解を求め続け、チャレンジドたちも、それに応えるべく健常者の何倍もの努力をしてきた。そして今では、チャレンジドたちは高い技術を身につけ、プロとしての仕事を得、またセミナー講師をつとめるほどになったのである。
「彼らは、仕事をしたいと思っているし、その能力も持っている。手足の不自由さをコンピューターでカバーし、人としての誇りを持ってもらうことが目的です」とナミねぇは話す。チャレンジドたちは、プロップ・ステーションと出会い、人としての誇りと尊厳を取り戻している。
日本の産業界が目を向けはじめた
プロップ・ステーションを周囲から支える支援者として、日本を代表する大手企業や行政、学会から、それぞれが個人の資格で参加している。それは、今やムーブメントになりつつある。この団体に、なぜ人々は引きつけられ、魅了されているのだろうか?経済最優先の企業が、なぜ非営利組織を必要としているのか?
今、関西の一隅から、新しい日本の未来が見えてくる。
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