北大路魯山人作陶展 P13,P14

 

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 今更魯山人氏の説明は要らない。有名なる無名人で通っていることは有名な話である。

 会えば奇人でも変人でもないが、あまり世間に顔を出さないことと稀有の天才が崇っている。或る者は三百年に一人、或る者は三百年に一人位しか出ない人だと高く評価する。また一面彼が傲岸不遜許し難しとする者も解しとしない。然し何人も彼の芸術を非難するものはない,何故斯くも美しくあるかを不審がるのみである。此の事は敵も味方も無いようである。本人に申すのは相済まぬが彼が後世の声価やいかにとそれを気にしている者は多々存するとされている。之を耳にする彼は莞爾として動く所はないが不穏当なる讃辞である。

 京都に生れた氏は京都に作品を展示することがいたく楽しみらしい。

 今回のように京都に多数の応援を得て絵と云わず書と云わず洒々落々と見参する所は氏の本領とも云え魯山人会一同の喜びに堪えぬ所である。

   東京 魯山人会

京都連絡所
 京都市中京区姉小路堺町西
      前田嘉三郎
           A三八四〇

 

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