北大路魯山人作陶展 P1,P2

 

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 京都個展に当って

                 魯山人

 ともすると、私の日常生活を問われる、「早寝、遅起、昼寝好き」と答える、では仕事する間が無いだろうといぶかられる、全く無きに等しいが、痩我慢で何とかする、睡眠過多のお蔭である。私は素人旦那芸として作陶に熱を挙げてから、かれこれ二十年は経つ、師匠無し、益友無しの不自由を相手に、進み難い道を暗中模索でたじたじとやって来た。

 思うように出来ないのはその為であるらしい。玄人から見てはどうであろうか。京都の作陶家に限らず、各地の方々が苦い経験を待ち続けて来られたであろうところの研究経済の余裕に苦しむむ現状には、我々も進路をはばまれ新研究は渋滞しつつあるが、この辺も邦家の為各位と共に語り合いたいと常々思うところである。私は京の上賀茂生れであって元々貧乏になれている。払い作品は貧乏研究の余儀無い制陶であるが、京都美術倶楽部に許されて個展を催し、貴覧に供し、兎角の批判を待望する所である。

 

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