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神戸新聞 2007年3月9日より転載

 

お米と私

 
 

弟と食べた卵かけご飯が"原点"

 
 

 

 

竹中ナミの写真

社会福祉法人プロップ・ステーション理事長

竹中ナミさん
(神戸市)

 ご飯といえば、子どものころに食べた熱々の「卵かけご飯」が忘れられません。2人の弟と1個の卵を分け合ってね。あのころは日本中が貧しく、だれもが食べることに一生懸命でした。真っ白なあったかいご飯をおなかいっぱい食べることがどれほど幸せだったか。

  お金があれば何でも手に入る現代は、お金がないと何もできないという価値観にとらわれすぎでは? 一杯のご飯に幸せを感じられた時代とは比べものにならないぐらい豊かになり、貧しいながらも力を合わせて生きていく知恵をなくしつつあるように感じます。

  私は障害のある娘を授かったことをきっかけに、プロップの活動を始めました。IT(情報技術)を活用し、だれもが必要とされる社会を目指しています。障害者をチャレンジド(挑戦という使命を与えられた者)ととらえ、障害があるから得られた経験や与えられた力を社会のために発揮して、自分の稼ぎで「食べていけること」を目標に活動を続けています。

  食べることは生きること。私の活動の根っこには、食べるために懸命だった時代の、「ご飯」の記憶があると思います。

 




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