[up] [next] [previous] |
月刊NEW MEDIA 2006年7月号より転載 |
特別レポート |
||
野田聖子議員が |
||
|
|
||||||
野田聖子議員、そう自民党の箱入り娘が郵政民営化で翻弄され、無所属となったあの人である。「党を離れると、こんなに自由に行動できる」と語り、議員としての原点の勉強に勤しむ。今回、2月に開港となった神戸空港のユビキタス自律移動支援プロジェクトを視察した。 (レポート・写真:吉井 勇・本誌編集長)
|
||||||
"世界初"を目指す神戸空港 |
||||||
昨年のゴールデンウィークにワシントンD.C.を訪問し、ペンタゴンや運輸局など、ADA(アメリカ障害者基本法)制定15年の成果を視察するという与党プロジェクトのツアーに同行取材したが、このツアーの団長が野田議員だった。話題の書『私は、産みたい』を出版した後で、不妊治療や少子化問題に切り込む議員であるが、障害者や高齢者が共に生きる「ユニバーサル社会法の制定」というビジョンを示すことができる数少ない議員でもある。無所属野田聖子議員が神戸空港のユビキタスによるユニバーサルデザインを視察するという連絡が、社会福祉法人プロップステーションの竹中ナミ理事長からあり、さっそく野田視察を取材することにした。
|
||||||
|
||||||
骨伝導フォンを採用 |
||||||
自律移動支援サービスの情報サービスを仕掛けるICタグは神戸空港の床下に、約1,000個が設置されている。視覚障害のある方がICタグのリーダー付き白杖を持って移動すると、エリアの移動に関する情報を音声案内してくれる。これまでの神戸市内などの実証実験から、「あと何メートルでどこそこです」という音声案内はしつこくてうるさいという意見から、「方向がズレています」というアドバイスの情報に切り替えている。また、音声についても耳全体を覆うヘッドフォンは「周囲の音が遮断されるので視覚障害者は不安が増す」という意見から、骨伝導フォンを採用したという。
|
||||||
通信規格「ZigBee」を採用 |
||||||
神戸空港のユビキタスでは短距離無線通信規格「ZigBee」が導入された。ジグビーはBluetoothと同種の技術であるが、低速で伝送距離も短いという制約はあるものの、省電力で低コストという利点がある。日本では2.4GHz帯を利用し、データ伝送速度が最高で250Kbps、最大の伝送距離は30m。さらに注目したい特徴は、ジグビー端末は中継機能があることだ。1つのネットワークで最大225個の機器が接続できるという優れものだ。
|
||||||
プロセスを大事にするプロジェクト |
||||||
およそ1時間半の視察を終えて野田議員は次のように語った。
|
||||||