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官庁速報 2005年2月17日より転載

     
 
場所の「整理番号」導入へ ー国交省
 
 
 
 
=バリアフリー施策や新ビジネスに活用=
 

 国土交通省は、個々の場所を識別することが可能な「場所コード」を導入する方針を決め、コード体系の在り方などの検討を始めた。いわば場所の「整理番号」で、番号によって正確な位置、その位置に関連する情報などを知ることができる仕組みを目指す。コード体系がまとまれば、民間や地方公共団体などにも広く公開し、障害者らに配慮したバリアフリー施策や新たなビジネスに活用してもらいたい考えだ。

 場所コードの導入は、同省などが進めている「自律移動支援プロジェクト」の一環。同プロジェクトでは、道路や電柱、鉄道、空港、公園などの主要施設や案内表示などにICタグを埋め込み、端末をかざすだけで、移動に必要な情報を得られるシステムの構築に取り組んでいる。障害者や外国人が一人でも安心して移動できる環境の実現が目的で、実証実験を神戸市で行っている。

 同省はまず、同プロジェクトのICタグで、場所コードを活用する方針。

 場所コードは、膨大な数字の組み合わせにより、緯度、経度、標高などに加え、場所の管理者などの関連情報を示すことができる仕組みとする。

 場所コードは、一つの番号でおよそ三センチ四方の場所を示すように設定する方針。視覚障害者らがスムーズに移動するためには、三センチ程度に細分化された位置情報が必要という。一コードを三センチ四方とすると、現在実証実験が行われている神戸市だけでも、約十万程度の番号が必要となる計算。同省は、数字の組み合わせなどを体系化し、全国どこでもコードを設定し、利用可能にする。

 場所コードが付いたICタグに、端末をかざすと、正確な位置情報が分かるようになるため、大規模地震などの際に活用が可能。また、現行では位置の把握が難しい地下街などでは、コードの応用で場所表示が容易になる。技術の開発の分野では、ロボットを制御するための情報として、関心を寄せる関係者もあるという。

 コードがより多くの場所で設定され、インターネットなどの情報媒体や各種技術に取り入れられるようになれば、有用性はさらに高まることになる。同省は「インフラの一つとして普及させたい」(政策調整官室)とし、検討内容などを積極的に公開する考えだ。




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