朝日新聞 2004年5月27日より転載 |
障害者支援 |
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IC誘導、デモ開始 | ||||
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町に埋め込まれたICチップが障害者らを誘導する「自律的移動支援システム」のデモンストレーションが26日、神戸市中央区の神戸ハーバーランド・スペースシアターで始まった。 交通機関や住所表示板、ポストなどに埋め込まれたICチップや赤外線センサーが、通行人に音や文字で、現在位置や交通情報を提供する仕組み。国土交通省が東京大学大学院の坂村健教授や社会福祉法人「プロップ・ステーション」の竹中ナミ理事長らの協力を得て、開発を進めている。 この日は、150平方メートルの敷地に約70個のICチップや光通信センサーが埋め込まれたJR三ノ宮駅周辺の模型施設を、視覚障害者や車いす使用者らが、センサー付きの白杖(はくじょう)や誘導モニターを手に、歩いてみた。 センサーが点字ブロックに触れると、「右に曲がります。直進できません」などの音声が流れ、チップを看板に埋め込んだレストランの前では、モニターにメニューが表示される。 神戸市西区の水越敦子さん(68)は「白杖の先は摩耗が激しいのでセンサーを入れるのは不向き。ホームでは線路と並行に歩いているかどうかのアナウンスが欲しいわね」と注文をつけた。車いすに乗った大阪府茨木市の山岡由香理さん(21)は「エスカレーターの手前で、モニターに上階の店が表示されるのは便利。外出に下見がいらなくなりそう」。 05年1月以降、三宮やポートアイランド、六甲アイランドなど町中にチップを埋め込み、4月から約1年間、実証実験を始める。坂村教授は「世界の汎用(はんよう)システムを神戸から発信したい」と話す。 デモンストレーションは27日午前10時〜午後7時と28日午前10時〜正午。無料。 |
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