逓信新報 2004年2月11日より転載

 

 
 
「産官民」CCP協力第一弾
(株)フェリシモの提携新企画カタログ創刊号が完成
 
 

神戸市中央局で記念式

 
 

 

プロジェクト成功期し
全国各局に一斉配置へ
本社の本保理事らが第一号の注文も

 「お買いものが、社会の未来を支援することにつながります」――日本郵政公社と(株)フェリシモ(矢崎和彦社長)の提携新企画のカタログ「POSFELi(ポスフェリ)」創刊号がこのほど出来上がり、1月28日から全国の郵便局4,866局で一斉に配置を開始した。これを記念して同日、神戸中央郵便局(小林邦弘局長)では、創刊記念式を挙行。本保芳明日本郵政公社理事や矢崎社長のほか、神戸市内の郵便局職員や注文商品を開発・提供するアトリエ(授産施設、小規模作業所などの福祉就労施設)の代表者ら約120人が出席し、ケーキカットや試食などを行った。

 

市内局職員ら約120人参加 商品試食も
本保理事と矢崎社長の入刀の写真 本保理事
(右)



矢崎社長
(左)
が入刀
展示されたプレートの写真
プレート(皿)をデザインするのは名の知れた人ばかり。「えっ、この人が」と話は尽きない様子(神戸中央局)


 「POSFELi」は昨年10月に提携を発表した同社が発行するカタログ小冊子。「みんながしあわせになるお買いもの」をテーマに、今後隔月発行される見通しだ。中心となる商品は、神戸市内の授産施設・神戸市と兵庫県・フェリシモの「産官民」の共同により実現したCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)が扱う洋菓子類と「さをり織り」の雑貨類で、このほかフェリシモの開発した募金付きの商品「トリビュート・プレート21」を取り扱っている。

 当日は神戸市内の郵便局職員など約120人が式典に参加。あいさつに立った本保芳明公社理事は「商品もカタログも本当に丁寧に時間を掛けて作っている。こういうものが、郵便局を通じ多くの人の下に届けられることが大変うれしい。地域社会貢献として、事業を通じさまざまな活動を展開しているか、新しい意味での社会貢献ができるのではないか」とカタログの出来を評価。

 同誌の今後の展開については「たくさんの方に見ていただくことで、2号・3号とどんどん育っていくはず。無限の可能性を発揮できるのではないか」と郵便局ネットワークを通じたCCPへの協力、貢献に意欲を示し、職員に対しては商品についての理解を深め、意識の共有を図ろうと呼び掛けた。

 続いて矢崎社長が「このカタログに込められているコンセプトは、『お作りいただく側もしあわせに』。この考え方はずっと変えず、プロジェクトを成長させていきたい」と述べるとともに、今後フェリシモの顧客網と郵便局のネットワークとを活用し、さまざまな新事業やサービスなどを創出していく意向を示した。

 この後、今回のカタログで取り扱うケーキを使い、本保理事と矢崎社長が記念のケーキカットを披露。一斉に報道陣のカメラに囲まれた本保理事からは、「昔のことなので、やり方を忘れちゃったよ」とユーモアを交えたコメントも。

 続いて試食会に移り、職員や報道関係者、同局を訪れたお客などにクッキーやケーキが配られ、並行してCCPの生みの親、授産施設「プロップステーション」代表の竹中ナミさんのビデオメッセージも披露。竹中さんはカタログ創刊の喜びを表すとともに、セールスポイントとして一つひとつの商品の物語性の高さ、品質の確かさを強調。CCP商品のさらなる開発と市場開拓に向けて、郵便局の担う役割について期待感を表明した。

 また製作を担当するアトリエの代表があいさつ。このうち、クッキーを担当する社会福祉法人いたみ杉の子・ゆうゆうの久野茂治さんは「インターネットでうちの職員さんがCCPの作品募集を見て、試しに応募したのが最初。昨年フェリシモさんから話をいただき『とりあえず乗っとくか』という感じでここまできた。素材を吟味し、良いもの、品質の確かなものを作るのがモットーだが、販路拡大や商品管理など、製造業特有の分野では、われわれはプロになりきれない部分もある。今後もさまざまな方のご意見を伺いつつ、ラッピングを工夫したり売れ筋商品の開発に力を注ぐなど、研さん努力を重ねていきたい」とCCPへの参画の切っ掛けを語り、あらためて郵便局の参画に対し、感謝の言葉を述べた。

 最後に本保理事、矢崎社長、小林局長が申し込み書第1号として、専用はがきを郵便窓口の職員に渡し、実際にCCPのケーキセットを注文。式に出席した職員は「どのような商品を扱うのか、良く知ることができた。自信をもってお勧めできます」とニッコリ。

 同局では当日窓口ロビーでさをり織りの雑貨を紹介したほか、2月3日まで既に発売されている「トリビュート・プレート21」99点を展示。各界の著名人がデザインしたスタイリッシュなプレートや、さをり織りの色調鮮やかなポーチや小銭入れなどを見て、早速申し込むお客の姿も見られた。

参加者善意での試食会の写真
参加者全員での試食会。アトリエの代表と本保理事(左端)、矢崎社長(右端)らも和やかに談笑しながらケーキをパクリ