朝日新聞 2004年2月6日より転載

 

 
 

障害者の製品を宅配

 
 
私たちの挑戦 全国へ
 
 

神戸の通販会社
公社など協力

5000郵便局にカタログ

 
 

 

障害者が手づくりした菓子や雑貨のカタログ販売に、日本郵政公社が乗り出した。授産施設や作業所の製品が「売れ筋商品」となるよう、商品企画のプロの立場で助言してきた神戸の通信販売会社などとタイアップ。全国的な販路拡大の一翼を担う。公社側は「全国のネットワークを生かして社会貢献につなげたい」という。


郵便ポストと同じ赤色の「ポスフェリ」と取り扱い商品の一部。手作りのぬくもりが全国へ届く

 創刊されたカタログは「POSFELi(ポスフェリ)」(A6判、35ページ、無料)。全国約5千の郵便局の窓口に置き、希望する商品を郵便小包で宅配する。2カ月に1度のペースで発行する予定だ。

 創刊号には、しっとりと焼き上がったフルーツケーキとバニラとココアのうずまきクッキーのセット(3千円)や、特殊な技術がなくても手軽に手織りができる「さをり織り」の手提げかばん(4500円)を十数ページにわたって紹介。今後、商品を増やしていく。

 昨春、障害者の支援活動に取り組む社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市)と、通販会社「フェリシモ」(同)が連携し、同社の商品企画担当者が施設の製品についてサイズや色、デザインをアドバイスするプロジェクトを開始。商品価値を高めて全国販売に乗り出した。中国地方や九州の施設から商品づくりなどに関する問い合わせが数十件寄せられており、公社側も全面的に協力することになった。

 フェリシモの矢崎和彦社長(48)は「障害者を、ハンディを持った人ではなく、『チャレンジド(挑戦する使命を与えられた人)』 、と位置づけ、これまで会員を中心に販売を進めてきた。全国の郵便局を使ったPRで、顧客が満足できる商品をより多くの人に届けたい」。