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ヒューパワー 第18号 2003年12月25日より転載

     
  書籍紹介 元気のでる2冊!  
 
『ラッキーウーマン
−マイナスこそプラスの種!
竹中ナミ・著
 
 

 

ラッキーウーマン表紙
飛鳥新社
1,300円+税


 竹中ナミさんは社会福祉法人「プロップ・ステーション」の理事長。しかし、本書を読むと、「ナミねぇ!」と愛称で呼びたくなるような明るさ・元気さがあふれている。

 ナミねぇの周囲では障害を持つ人を「チャレンジド」(人は自分の課題に向き合う力を持っており、その課題が大きいほど向き合う力もそれだけ与えられているという考え方)と呼ぶ。「チャレンジドを納税者にできる日本」をスローガンに、精力的に動いているナミねぇ。

 マイクロソフト社をはじめ、多くの出会いを経て、アメリカの国防総省ペンタゴンに招待され、日本では「ユニバーサル社会基本法案」づくりにまで携わるようになった。

 そんなナミねぇだが、彼女の人生はまさに紆余曲折(うよきょくせつ)。本書ではそのナミねぇの人生がとびっきりの元気さで描かれている。高校中退、16歳で結婚、何度もドン底の危機に陥りながらも楽しむことを忘れなかったナミねぇ。そんな彼女が授かった子どもたち。長女は障害を持って生まれてきた。試行錯誤、なんでも試し、なんでも勉強し、「人間ってすごい!」と、「障害者=弱者」という観念を振りはらう。働きたいと願うチャレンジドにとってコンピュータが武器になるということを知り、これまた失敗と成功の繰り返し。しかし着実に「うねりのようなパワー」で多くの人々を巻き込みながら、ナミねぇは「でも、きっとかわるで、この国は」と突き進んでいく。

 どんな困難でも「ラッキー」と思えるナミねぇ。「どうやったら?」と疑問に思われる方には、本書をご参考に、ちょっと想像力をはたらかせてみては。