障害がある人たちの働く環境が変わりつつある。福祉施設が企業や行政と連携を深めたり、パソコンを活用した在宅就労を後押しする動きが広がりつつある。
IT(情報技術)で障害者の社会参画を支援している社会福祉法人「プロップステーション」が、このほど授産施設などが作る製品を大手通販会社のカタログやインターネットを利用した販路で全国に売り込む活動を始めた。
兵庫県や神戸市の協力も得て呼びかけ、各施設が、クッキーや織物など得意分野でこの事業に参加する仕組み。通販会社という"プロ"の指導で、洗練された商品の販売について学び、施設の活性化を目指す。
一方、施設に通うのが困難な重度の障害者たちは、在宅での仕事獲得を目指す。厚生労働省は来年、パソコンの技術習得などで就労の手助けをする「バーチャル工房」を全国数十カ所で展開する予定で、今回の取り組みは全国に先駆けた試みとして、成果が期待される。
「障害者だから」という、負のイメージが作っていた壁も、崩壊しつつある。今ではIT関連の熟練者も増え、プログラマーやWEBデザイナーなど、時代の先端で活躍できる場は幅広い。一方で、生産品の品質管理も見直し、イメージアップや消費者の要求にこたえる品づくりなど、知恵を絞る機会も増える。
合言葉は「ビジネス感覚を研ぎ澄ませ」だ。
(写真・記事 藤家武)
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