「チャレンジド(障害者)も納税できる日本に」をスローガンに、当事者だけでなく官公庁や企業も巻き込んで毎年開かれている「チャレンジド・ジャパン・フォーラム」が9回目を迎え、今年は千葉市で開かれた。
IT技術を習得
主催者のプロップ・ステーション(神戸)は、障害者がIT技術を獲得して就労する支援事業をする社会福祉法人。障害者のためのコンピューターセミナーをオンラインでも行い、データベース製作やプログラム開発、CAD(設計)、DTP(編集)、キャラクターデザインやホームページ作成の技術を持つ障害者を育て、就労あっせんや、同法人が自治体や企業から受けた管理システム構築などの仕事を委託する。
IT技術による仕事のメリットはネットを通じて在宅でも仕事ができることで、施設や病院で身体介助を受けながら仕事をする障害者も徐々に増えており、昨年までに千人以上の障害者が受講、100人以上が在宅や施設で就労している。
各県の知事も参加
今回のフォーラムは千葉県が実行委員会を作り共催した。プログラムは2日間にわたり、スウェーデンやアメリカの行政担当者の講演や、中央官庁役人による問題提議や国の進ちょく状況の報告、千葉県の堂本暁子知事を初め和歌山、宮城、岩手、兵庫などの現職知事によるパネルディスカッションなど多彩。中でも注目を集めたのは障害者自身による就労事例報告や新しい事業の立ち上げだ。
例えばバイク事故で両下肢と右上肢が機能障害になり、療護施設でプログラミングの仕事をする後藤田勇二さんは、施設にケーブル回線を引いてもらうまでの苦労なども披露。ITを利用して翻訳も手がけたいと抱負を語る。
通販にも挑戦
IT以外の事業も始まり、同法人と通販会社、自治体の3者が共同プロジェクトを組んで、兵庫県下の授産施設などで作られているクッキーや織物を今年から通販で全国販売することになった。
「障害者が誇りを持って社会に発言するには、市場経済の中で就労し納税者にもなれるシステム作りが不可欠。社会全体の活力にもつながる」と竹中ナミ理事長は強調する。
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