カーナビや都市計画の立案などに用いるデジタル地図の製作に、体に障害があるなど通勤が難しい人でも携われるよう、遠隔地の製作拠点と自宅を高速回線でつなぐNTT西日本グループの「デジタル地図バーチャルファクトリ」が二十二日、稼働を始めた。
障害がある人たちの就労を支援する神戸市東灘区の社会福祉法人「プロップ・ステーション」で式典が開かれ、五人のメンバーが地図のデータ入力や編集を実演した。
神戸で入力・編集したデータは高速回線で熊本市の製作センターへ送られ、専門の技術者が加工する。セレモニーでは熊本と神戸の様子を互いに画面で確認しながら作業し、熊本から入力の仕方などをアドバイスする場面も見られた。
実際に作業した吉村雪子さんは「やさしくアドバイスしてもらえたので、思ったより簡単だった」と話していた。
この仕組みを応用すればデジタル地図以外にも、自宅で働ける機会が広がるという。プロップ・ステーションの竹中ナミ理事長は「高齢者や障害者がやる気や生きがいも持てる。全国に広げていきたい」と期待を込めていた。
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熊本の製作センターと神戸を高速回線で結んで行われたデジタル地図工房のオープニングセレモニー=神戸市東灘区・六甲アイランド、プロップ・ステーション |
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