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健康福祉情報新聞 いきいきLife 2003年5月号より転載

     
 
新刊書
価値を読む本
ラッキーウーマン
 
 
障害を挑戦意識に変える心と社会の事業
四ツ葉のクローバーは他と異なる故の価値
 
     

生まれてきたチャンス
挑戦する使命を活かそう
著者・竹中ナミ
発行所・飛鳥新社
発行人・土井尚道
本価格・1300円

 私は、チャレンジドは四つ葉のクローバーやと思うてる。クローバーというとふつう三つ葉。で、四つ葉のクローバーは幸せのシンボルというて、みんな一生懸命さがして、しおりにしたりする。

 でも四つ葉のクローバーというのは、自然界の中では異端。それを幸せのシンボルと思うて大事にするのは、人間の想像力のたまものや。「標準からはずれているから悪い」とおもわないで、「これはラッキー!」という物差しを作った。それはひとつの文化や。…大勢のチャレンジドとお付き合いしながら、いつもそう感じてる(あとがきから)。

 左手に持った黄金を背のうしろに隠して、右手を必死に伸ばして虹を捕まえようと追いすがる者。両腕の中に虹をしっかりと抱き込んだ人間の姿が投写される読む人の心に。

 ハンディを特化の力と変える竹中ナミ氏の生きざまを人びとはどう見るか。同情か、驚嘆か。他人ごとか、指標としてか。

 だが、竹中ナミ氏は叫ぶ「ラッキーウーマン」と。このことばのもつ高さも深さも、広さも読む人の心の尺度が捉える価値だ。

 人生を負の計算の中で喘ぐ現代の人びとに贈る、元気と勇気がもらえる本。「マイナスこそプラスの種」の極意を読みとれるか。