毎日新聞 2003年5月22日より転載

     
 

さをり織「ぱたぱた」、クッキー「ぐるぐる」

 
 
来月中旬に第1回商品掲載
 
 

全国通販プロジェクト 作業所の自信作

 
 

 


「ぱたぱた」模様のさをり織の小物

「ぐるぐる」模様のクッキー

 障害者の小規模作業所や授産施設製の生活雑貨や食品を全国へ通信販売しようと、社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区)、通販会社「フェリシモ」(同市中央区)、県、神戸市の4者が進める「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」の第1回発売の2商品が、さをり織とクッキーに決まった。6月中旬、カタログに掲載される。

 「チャレンジド」とは「限りない可能性を秘め挑戦する者」の意を込め障害者を呼ぶ言葉。県内の作業所に自信作応募を呼びかけたところ、3月までに45施設から100点の応募があった。

 クッキーもかなりの数を占めた。「どれも無添加でシンプルな味。作り方も丁寧だ。後はデザインやラッピング」。フェリシモのデザイナーは売れる商品への改良に知恵を絞った。そこで、応募施設に投げかけたキーワードは「ぐるぐる」だった。同様にさをり織は「ぱたぱた」にした。

 施設はビビッドに反応した。渦巻きクッキーや、カラフルな縦縞模様のさをり織がどっと届いた。こうした言葉のキャッチボールから完成品が生まれた。

 商品を手がける作業所は複数になり、それぞれの名称入りのメッセージカードを付けるため、購入が障害者の給料になることが実感出来る。一方でフェリシモの矢崎和彦社長は「良い商品だから売れるはず」と“ビジネス”に自信をみせる。

 応募した星型せっけんの商品化を待つ知的障害者通所授産施設「ゆうゆう」(伊丹市)指導員の中川康子さん(32)も「福祉の現場では、パッケージ一つで売れ行きが左右されることに目がいかない」と言い、プロジェクトの今後に期待していた。

 同プロジェクトの第2、第3弾の商品化も検討中。新しい作品も募集している。事務局(078−845−2263)。

【熊谷豪】


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