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2001年(平成13年)11月3日(土曜日) 伊勢新聞 より転載

     
  チャレンジド・ジャパン・フォーラム  
     機会の平等化を  
            障害者就労で4県知事討論   
     


II障害者の就労支援をテーマに志摩郡磯部町坂崎のホテル志摩スペイン村で開いている「第七回チャレンジド・ジャパン・フォーラム2001国際会議inみえ」(同実行委など主催)は二日、次回開催県の増田寛也岩手県知事や潮谷義子熊本、堂本暁子千葉の各県知事らを招き、「21世紀、日本は地域から変わる」と題してパネル討論した。司会進行役の北川正恭知事を含め四知事は、いずれも障害者の機会平等を訴えた。

パネル討論では、障害者に対する各知事の考えや取り組みなどを紹介。併せて障害者への機会の平等化の促進や、IT(情報技術)が障害者の世界を大きく変えようとしていること、男女共同参画に絡み女性知事・国会議員の増員についてなど、議題は多岐にわたり、地方の変革が国全体を大きく変えると位置付けた。

潮谷知事は、点字付きの名刺を使ったり、選挙公約を点字で関係者に送ったエピソードを披露。平成十五年に開通する新幹線の熊本駅舎では、バリアフリー化を設計段階から国やJRに働き掛けていると明かした。

堂本知事は「三十年間ジャーナリストとして暮らし、精神障害とかかわった。それがなければ、今日の私はなかった。心が病んでいようとなかろうと、その人らしさが最も大切」と、一人ひとりの個性を重視した自立を説いた。

増田知事は「フォーラムに参加するたびに、私も行政も古い衣を一枚一枚脱いでいく感じ」と述べ、フォーラムなどを通じ、知らなかった考えや意見と出合う大切さに触れた。

北川知事は、フォーラムがボランティアなど多くの人がかかわり運営されていることに触れ、「感動が感動を呼ぶ。皆が力を合わせ「自己実現していく社会をつくる必要がある。その切り口の一つとして、ITを使って障害者も納税者になっていただけるのではないか」とした。

討論終了後、結果の平等よりも機会の平等を保障する社会の実現を目指すなどとする五項目から成る大会宣言に知事らが著名し、全国から約三百五十人が集まった同フォーラムは閉会した。

この日予定していた太田房江大阪府知事は、風邪のため欠席した。


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