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作成日 1996年7月3日

インターネット その可能性 期待

大阪で新しい試みさまざま

朝日新聞 1995年10月31日より転載


人が集まる事でビジネスチャンス

 コーヒーを飲みながら楽しんでもらおう、とインターネット・カフェも誕生した。 大阪1号店「ギャラクシー・ネット」(中央区)は、1日のオープンから一カ月で会 員を7百人に伸ばした。28日と29日に計5回開いた初心者講座は、定員オーバー になる人気だった。
 1時間千円(女性8百円)で利用できる。会社帰りのサラリーマンらが絵や音入り の画面で構成したWWW(ワールド・ワイド・ウェップ)で、世界の企業や娯楽情報 をあれこれ見て遊ぶ。中には「上司に言われて」数日間通いつめた人もいる。
 11月からは、女性企業家スクールも開講。海外で洋服や雑貨の買いつけをしても 販売ルートのない女性たちに、インターネットを使った事業のノウハウを伝授する。 ほかに就職戦線を勝ち抜くための学生コースなども用意した。
 「カフェはあくまでも呼び水。人が集まることで、そこから新たなアイデアやビジ ネスチャンスが生まれれば」。技術担当の植野敏昭さん(36)の本当の狙いはカフェ の後にある。

距離と時間を超え障害者が仕事探す

 「インターネットで就労への道を開拓しましょう」。プロップステーション(北 区)の竹中ナミ代表は16日夜の講習会で、車いすの参加者たちに向かって力強くあ いさつした。50人の会場に70人以上がつめかける盛況だった。
 プロップはコンピューターを活用した障害者の就労を目指した4年前に発足した。 障害者の雇用は徐々に進むが、それも通勤可能な人に限られている。通勤できない人 は仕事を探す手立てもなく、企業の側も人材がつかめない。
 竹中さんがインターネットに注目したのは、障害者のところに仕事がくるシステム がつくれる、と思ったからだ。9月にはインターネット上に、プロップの窓口ともい えるホームページを開設し、活動内容の紹介とともにオンラインを使って障害者の仕 事の発注を呼びかけ始めた。会社案内のホームページを作る仕事も請け負えればと、 養成講座も開いた。16日はその1回目だった。
 「雇用条件は通勤1時間以内、とかいうでしょ。でもインターネットなら大阪の会 社もアメリカの会社も同じ。しかも体調をコントロールしながら好きな時間に働け る。距離と時間を超えた仕事ができるんです」と竹中さん。まずは一人でも実績をつ くって認めてもらおうと意気込む。


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