の4

よおーくがんばったがジムは
大半の会員の予想通り、
負けてしまった!

そんな無理が通るはずもないと
分かっていたのだ。
みんな大人だったから。

でもそうでなかったのは、
存続することを信じて
疑わなかった若いインストラクターや
スタッフたち。

中でも可哀想だったのは、
自分のプログラムのある朝に
突然、閉店の話を聞かされた
インストラクターのM君だった。

彼はあまりのショックに
打ちのめされ、青ざめた。

・・

会員の一人が無邪気に彼に聞いた。
「M君はどこのジムにいくの?」

M君答えた。
「いいえ、自分は北海道の原野に。
ナイフ一本あれば、
生きていけますから。」

おまえはランボーかあー!

すかさず、
つっこみをいれるマーマレード。

さあ、それからのジムに流れる
空気は熱い!本当に熱い!

日に日にせまる、お別れの時。
これでもかあ!の
スペシャル・メニューの目白押し。
日曜日の朝一番のM君担当の
「ボディ・パンプ」のすごいこと!
「んっがあー!」「うげぇぇいー!」
「ぐぎゃあー!」
哀愁おびた怒濤の雄叫びが乱れ飛ぶ。


そして通称「M君の水たまり」
と呼ばれる、彼の汗の海も
だんだん大きくなっていった。

まるで水道の蛇口をひねったように
ほとばしり出る汗、汗、汗。

そう、M君はすっごく
汗っかきなのだ。

また、低すぎる天井に遠慮していた、
のっぽのK会員はここぞとばかり
天上におのれのバーベルを打ち付ける。

オンボロなジムは
ますますぼろぼろに・・。

さよならだけが人生よ、
のせりふではないけれど、
物事にはすべて終わりがあるもの。

だからこそ限られた時間が光り輝くのだ。

名残は尽きねど、
よい思い出を与えてくれて
ありがとう!

シャイで誠実なM君、
かわいい、おちょけのT君、
そして筋肉至上主義のおやじギャグが
ゆかいなT元店長、

本当にマーマレードは感謝です。


T元店長


T君


M君

戻る 続きを見る