作成日 1998年12月吉日

 チャレンジドとは「障害を持つ人」を表す新しい米語「the challenged」を語源とし日本では「挑戦者精神を失わない人」というポジティブな意味を込めて使われています。 

 21世紀を目前にして、私たちは社会構造、生活様式、経済、文化などあらゆる分野において、これまでに経験しなかった速い変化の中で暮らしています。日常生活は、以前と比べて確かに豊かになってきました。それを支えているのが、ネットワークをはじめとするIT(Information Technology=情報技術)です。

 米国では、仕事を持ち、積極的に社会に参加していこうという前向きな障害者のことを指して「チャレンジド(Challenged)」という言葉が使われています。
 彼らの挑戦意欲を実現する手段としても、ITは大きな役割を果たしています。つまり、コンピュータネットワークをはじめとするITは自由な空間移動が困難なチャレンジドにとって、ビジネス社会に参入する強力な武器となりうるのです。
 しかしながら、その実現のためには、まだまだ越えなければならないハードルがあります。
 たとえば、チャレンジドがITを使いこなす力や専門業務能力を身につけなければなりません。
 さまざまな障害を持つチャレンジドが使いやすい情報機器の開発も求められます。そのような技術的な課題の解決だけではなく、雇用制度や雇用条件の改革といった社会制度面の整備も必要です。さらに、チャレンジド自身の意識改革も求められています。

 今回開催予定の「チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議」は、

(1)情報技術を用いて自立を目指すチャレンジド同士やチャレンジドと企業・組織の情報交換や出会いの場の創出、

(2)チャレンジドを取り巻く産官学民及び地域コミュニティに関する情報交換や連係の場の創出、

(3)チャレンジドのための社会システムの変革に関する意見交換と提言

などを目的としています。

 本国際会議は、この目的のために関連する国内外の方々が一堂に会する場として設定されました。参加者としては、チャレンジドや保護者、学校関係者及び、関連する産学及び中央や地方の行政関係者、NPO関連の方々を想定しています。

 ぜひ、本国際会議開催の趣旨をご理解いただき、関係各位の皆様の「チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議」へのご協力を賜りますことを、お願い申し上げます。

チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議 実行委員長

神戸大学 工学部長 北村新三


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