支援企業探訪

ジャストシステム株式会社
 浮川 和宣 社長

interview:竹中 ナミ


 プロップ・ステーションの重要な活動の一つにプロップ・コンピュータセミナーがありますが、このセミナーはプロップの主旨に賛同くださる多数の企業と、コンピュータを、仕事や趣味で使っておられるボランティア・インストラクターの皆さんの多大なご協力のもとに開催しています。

 今号の「FLANKER」では、毎週金曜日のセミナーに会場と機器を無償貸与してくださっている「NEC」と、そのセミナーで使用するソフトウエアを寄贈してくださる「株式会社ジャストシステム」の、支援企業2社を訪問させていただき、ご支援へのお礼を申し上げるとともに、「企業理念」「障害を持つユーザーや、高齢ユーザーへの対応」「新製品情報」などをお聞きしました。


浮川 和宣 氏

1949(昭和24)年 5月5日 愛媛県新居浜市生まれ
1973(昭和43)年 3月 愛媛大学工学部電気工学科卒業
1973(昭和43)年 4月 西芝電機株式会社入社
1979(昭和54)年 7月 ジャストシステムを創業
1990(平成 2)年 6月 社団法人日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会会長に就任


頑張っている人を支援したいんです

竹中(以下T):本日は貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。今日こちらにお伺いいたしまして、先ほど社内見学をさせていただいたのですが、会社のいたるところに女性がいらっしゃる、ということを大変嬉しく思いました。託児所の方も拝見せていただきました。

浮川社長(以下U):あそこも行かれたんですか。にぎやかでしょう。

T:夜間の保育もあるというのに驚きました。
私が思うのは、女性が出産や育児で職場をリタイヤしなければならない状況や、あるいは男性が、まだまだ働きたいのに定年でリタイヤしなくてはいけないというのは、障害を持つ人の就労が困難であるという状況と根っこは同じような気がするんです。
ですから会社としてああいう託児所などを設け、女性の社員も非常にたくさん働いていらっしゃるというのを拝見して、大変カルチャーショックを受けました。
そこで、まずお仕事のお話からお聞きしようと予定していたのですが、ちょっとその辺のお話からお聞きしたいと思うんですが。

U:女性の働きやすい職場を作るということは、お互いに(女性にとっても会社にとっても)大変なんですが、こういう場がある、こういうことができますよということを自分自身で確認しながらやっているんです。
(託児所を作ったというのは)一生懸命夜遅くまで仕事をしてほしいということではなく、ある責任を持った仕事を始めるとどうしても毎日毎日定時に終われなくなってきますよね。でも今日発生した仕事は今日片付けたい、という気持ちがあると思うんです。それが家庭の事情でできないっていうのは悔しい思いもあるでしょう?

 今の社会では若い女性で子供がいる人に、重要なポストを与えるということは考えられていない。女性がその仕事の重要さにどんどん気付いていったときに、その人たちを支援できるシステムを作ろうと思いました。私の考え方に、がんばっている人たちを何とか支援したいというのがあるんです。

T:大変、共感できるお話です。

U:服装にしても制服にしたらどうか、という意見が、前にでたことがあるんです。ですが、若い年齢の人たちの気持ちを考えると、贅沢をしろって言っているわけではないんですが、綺麗にして、口紅の一つもひくってことが一つの緊張感になる、そういうことって大切かなと思いまして。会社の中で緊張してもらう必要はないのですが、やっぱり仕事に対して向かう気持ちの一つのスタイルとして・・・。やっぱりおしゃれしようねって。
徳島に行って田舎臭いねっていわれるより、ここに来るとちょっと別世界だねっていうぐらいの気合いを入れた会社にしよう、自分たちが生活している空間だとか、自分自身だとか気持ちよく綺麗にしたい・・・。

T:建物の外観もすごいですね。
先ほど会社の外の階段のてっぺんまで登らしてもらいましたが、単に飾りかなと下から見てたのですが、ご案内いただいたら実際てっぺんまで登れたのでびっくりしてたところです。普通非常階段って、下へつながっているのに上に登って非常階段って・・・(笑い)。あれは社長のデザインなんですか?

U:ええ、発想は私です。

T:天に昇るとかそういうイメージが?

U:いえ、上に給水塔とかあって、それだけって絶対不細工だからやめたいと思ったんです。そうすると建築家が見てくださいって図面持ってきて、じゃ、これでいこうって。

T:なるほど。

U:あの階段は、私のアイデアなんです。皆からなんだってよく言われますけど。

T:目立ちますよね。こういう階段のあるビルっていうだけでわかってしまうというか・・・。
今、お話を聞いていると、制服の話でもそうですし、女性の雇用の話もそうなんですが、会社のカラーに染めることで、そういう会社との一体感で発展してきたっていう日本企業の一つのパターンってあるでしょう?

U:差をつけさせないんですよ。右を向いても左を向いても同じでね、あなたたちは同じことを同じようにやりなさいっていう考え方の現れじゃないでしょうか。一人一人が個性があってですね、出る杭を引っ張りあげるという意識がない、それをこう出てきたりしてでこぼこがあると、それを平らにしようとするような感じですよね。

T:そうすると社長は一人一人の個性を出す方が会社は発展するという風に考えてらっしゃるんですか。

U:お互い面白いと思うんですよ。これは会社でやると大変なんですが・・・ 。

T:管理がしづらいということですか?

U:いやいや、そういうことじゃなくて「出る杭」自身がなかなか出てこないんです。これだけやってても出てこないんです。何でと思うんですけど。
やっぱりでもそう言いながらそれが浸透していないのかなと、それとも私自身がそれを見つけだせていないのかなと、またはもっと出てきてほしいという意識の方が強すぎるのかなと思ったりもするんです。

T:それは社員の方が自分で押さえるってこともあるんでしょうか?

U:そう、押さえるようです。私は社員の意見がもらえるようにメールなどもオープンにしているんですが、こないんですね。どうしてって聞きますと出してはいけないと思ってるんです。そういうことからもっともっとやらなくてはいけない。
日本ていうのは、そういう風に教育され続けてきていて、最近のはやり言葉で言うとマインドコントロール、会社の中に入りますと、枠の中で一生懸命枠に沿った生き方をするというのが、社会人だという、もうずーっとたたき込まれてきているんですね。
人を中傷したり、精神的にダメージを与えることは絶対にダメですよ。でも皆が仕事にきているわけですから、一つの提案をですね、これではダメだからこういう風にやったらどうかとか、前の人を批判してもいいんですよ。ところがそうならないんです。

T:それは若い人でもそうですか?

U:いや、全体でです。今、8百何十人という社員がいるのですが、平均化していった日本像がそのまま入ってます。

T:なるほど、自己規制の強い日本人という像ですね。で、そういう自己規制の中で、会社組織の平均からはずれた(と思われている)障害を持つ人などを受け入れる体制が生まれてこない、ということがあるんでしょうね。


キーボードが速くたたけることが、
どれほどの価値なんでしょう

U:竹中さんが考えておられること、プロップさんが目指しておられることに関しては、実はわが社も何もできてません。自分の思想がこうだとか、何にもないんです。
ただ、決定者側にいる仕事をしている僕は、どれぐらい懐の広いところを考えられるか、ということを、もっと自分に突き付けていきたいと思ってます。

たとえば、突然一太郎の話になってしまいますが、キーボードが速くたたけるということが、その価値って本当にどれだけの人が必要なんだろうかと、あるときふっと思ったんですよ。指がきちんと動く人たちだけに使えるものでいいのだろうか、と考え始めたんですよね。
私だってたとえば自動車のドアで指を詰めたとか、料理をしていて指を切ってしまうこともあると思うんですよ。それで昨日まできちんと仕事ができていたのに突然できなくなってしまう、どうやったら使えるかわかっているのに使えない。自分たちの回りでもすぐに起こりえることなのに、健常者と障害者を区分けして考えるようなことを多くの人たちがしているんですね。

でも、明日起こりえることなのに・・といった考えがでたときに、いままでの自分たちが考えている世界っていうのは、いかに狭いちっぽけな世界だけのことしか考えていない、というところにたどり着いたのです。
モノを作る側にとって、人に使ってもらおうとするとどれぐらい広い世界を作れるかということが、エンジニアの思想なんです。いかにして、そうやって使っている人たちのシチュエーションを想像できるか、ということが大事だと思っています。

T:一太郎は、一本指で使えるワープロを標榜されていた、と聞いたことがあるんですが・・・

U:はい。最初のころの一太郎は全部一本の指で操作できます。ショートカットキーなど両方の指で使わなければいけない操作もありますが、それに関してもストローク数は多くなりますが必ず同じ結果をだせるようにしてあるんです。
結果を出す場合の経路がきちんと設計されているということを、全部チェックして製品化しているんですよ。

もう一つは、よくありがちなのが「そういう人向けの製品を作ればいいんだ」という考え方。確かにそういう考えも必要ですけど、製品を分けることで、今まで使っていてけがをして使えなくなったときに、こっちの製品は使ってはいけません、あなた向けの製品はあちらですとか、こちらで生活してくださいとか、分けなくてはいけない。これは何でだろうなぁと思うんですよね。

同じもので同じように生活して、同じようなものを使ってほしい、それは最初の設計者がどれほど、そういった人たち向けの機能を付けるかどうかっていうのは(製品の中で)数パーセントのことなんです。
その数パーセントをはずすということで、完全にそういった人たちをシャットアウトするか、すべて一緒ですよと言うか。その数パーセントに心が行き着くかどうかということがわかった。

人間にとって重要なのはプライドで、そのような人たちに疎外感を与えるようなことは、絶対してはならないとずっと思っているんです。


どれだけ柔軟な物差しを
持っているかということです

T:さまざまなニーズを持った一太郎ユーザーが居ますので、そのお考えはぜひぜひ拡大していっていただきたいと思います。
プロップは、コンピュータを活用して障害を持つ人たちの自立支援をテーマに活動しており、その中でジャストシステムさんの多大なご支援をいただいてセミナー活動を続けているわけですが、障害を持つ人自身が教育する側に立てるというような日が来てほしいな、というのが私の夢の一つなんです。

障害や高齢という新しいニーズを持ったユーザーが増えていく中で、そういった人たちが一太郎をどんどんと使っていくようになったときに、私たちのような機関がそのセミナーを請け負ったり、インストラクターの試験を実施できたりすればいいんですけれども・・・
一太郎が、どんな障害を持つ人にはどんな使い方ができるか、といった検証が当然必要になってくると思うんですよね。先ほど社長が一本指で検証されたということでしたが、残念ながら今一太郎を勉強していただいている方の中では、重症な方にとって、もっとここがこうなったらいいなぁという要望が色々あるんです。

そこで、できればタイアップさせていただいて、私たちのような組織自身が検証作業もしていく、その中で先ほど社長がおっしゃったように、別のものを作るのではなくって、現在、皆さんが使っている一太郎をここが使いやすいよ、こういう風にすれば自分たちも使えるというようなものをきちんと組み込んでいく、なおかつ先生ができるようにもなっていく、というような方向性があればどうかなと思ったんですが。

U:それは、ぜひぜひ、こちらこそ協力をお願いしたいですね
。私たちには気が付かないこと、周りにそういう人がいて初めてわかること、私たちはそれ以前の状態なんですよね。ぜひ、タイアップしていきましょう

T:心強いお話、ありがとうございます。
しかし、先ほどからお話をお聞きしていて大変柔軟なお人柄、という感じを受けて嬉しいです。

U:自分の知らない世界に関して、こうじゃないかなっていつも空想しているわけですが、人間が成長していくということはどれぐらいの空想ができるかということだと、僕は思ってます。
言い方を変えるとどれだけ柔軟な物差しを持っているかということだと思います。
でも、それにはいろんな情報が入らないといけないわけです。こういう生き方もありますよとか、こんな人もいますよとか、こんな視点で物事を考えている人たちがこんなにいますよって、知らないといけないわけです。
でも、そういう意味では日本人って堅いんですよね。物差しが少ないんですよ。

T:自分を柔軟にする場っていうか、チャンスも少ないように思います。
プロップではプロのエンジニアさんがたくさん活動してくださってるんですが、エンジニアさんとボランティア活動というのは、今まで一番縁遠いものだったんです。
ボランティア活動っていうのは主婦とか、退職された男性のするもの・・・みたいな既成概念があって・・・自分たちが培った技術そのものが、障害を持つ人たちに非常に効果的に働くということを、皆さん全く知らなかったわけです。

それで出会って初めは教えてあげようという気持ちだったのが、何か付き合ってみるとそうじゃない関係になっていく。お互い与え合うものがあると気付く。会社の中でコンピュータを使っているのと全然違うなぁということで、いつしかボランティアに「はまって」いかれるんですよね。オタクっぽかった人が社交的になったり、なおかつ異業種交流会が生まれたり・・・
これは「おまけ」みたいなもんですが、コンピュータといってもデザインに使っている人もいれば、学校教育で使っている人もいれば、開発やっている人、いろんな人が出入りするんで、あっちでコンピュータが売れてみたり、こっちで開発の依頼が出てみたり、というような話も生まれます。
実利を求めて入ったわけではないもの同士なので、よけいに親密になれるって部分があるんですよね。

それを見てると、今おっしゃったみたいに一本の物差しで生きてきた人が、物差しを何本か持つことで別の人生を歩き始めるなってことを、プロップの活動を通して実感してます。
ジャストシステムの社員の皆さんも、ぜひボランティア活動で新しい物差しを何本か身に付けていただきたい、なんて我田引水ですが(笑)

U:なるほど、そうきますか(笑)


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来年には一太郎Ver.7がでます

T:さて、お仕事の話もお聞きしたいのですが、できれば何か最新情報っていうか、「おいしいお話」があればうかがいたいなと思ってまして・・・。
それと、最近の動向としてこれからはインターネットというのが趣味でもビジネスでも、いろんな意味で重要なものになってくると思います。
そこで、新製品の情報とジャストシステムさんとしてのインターネット展開など、どういう風に考えていらっしゃるかということをぜひ聞かせていただきたいと思います。

U:一太郎Ver.6.3というのが8月25日に店頭に並ぶのですが、これが突然に「一太郎からインターネットにアクセス!」ということで、今まで一太郎というのはワープロじゃないかとかって、青天の霹靂みたいに言う人もいるようです。

私はパソコン通信というのはあまり経験なかったんですが、インターネットを知って、人間の行き着く社会はこれだなと思ったんです。
人間が一人一人が自立していることから始まって、言いたいことは自分でちゃんと言って、しかも責任を持って言う。なおかつ全世界と結びついている。料金体系には問題ありですけど(笑)

で、そこで飛びかっているのはほとんどが文章なんですよね。・・ということは一太郎の世界なんですよ。
とくに日本人は日本語の表現をするわけですから、ワープロで文章を作ってそのまま通信できたらいいに違いないと思って・・・

実は一太郎のVer.6というのが1月の末から出荷が始まったばかりなんですが、来年にはVer.7がでるんですよ。もうそれに向けてやっているわけなんです。

それぞれの部所が忙しくて大変なのはわかっているんですが、何とかそれをやろうということなんです。
ビジネスで考えたらこんな大変なことはないですよね。忙しくなるしVer.6を出したばかりで、開発コストもかかりますし・・長く売れば売れるほど初期投資をたくさん採っていますから、元を取っていけるわけです。
ところがそれを、半年で全部チャラにして、マニュアルなども全部作り直すわけです。1年間に二重投資をすることになるんですが、それでも出したいんです。
でも、それは思想なんです。商売でそろばんをはじいたら馬鹿らしいんです。

T:でもユーザーにとってはバージョンアップ費用が・・・

U:バージョンアップ費用といってもそんなに高い値段じゃないですよ。僕は、より良いものを少しでも早く出したいんです。

T:常に動いているのがいいみたいな感じですか。

U:いや、そうじゃないです。固執するのがあまり好きじゃないんです。

T:ここでちょっと・・・ライター兼カメラマンとして同行くださった木地本さん、何か質問はありませんか?


ハードウエアメーカーの夢がちいさいんですよね

木地本(以下K):では、お聞きしたいんですが、一太郎は最終的には統合化ソフトをめざすのでしょうか。

U:統合化ということでもないのですが、私は一太郎は人間がものを考えていくツールにしていきたいですね。
考えるためにはいろいろな資料も取ってきたいと思うでしょうし、その資料を全部作成するための統合ツールというところでしょうか。ただ、一太郎が何を作成できるかというと、文章を考えたりすることが徹底されている。

一太郎自体はマルチメディアになっていって、絵も動画も音も入ってきます。ですから読み上げてくれる機能がついてくるかもしれません。あるいはそういうエンジンを使う上で一太郎自身がそういうデータを吐き出す機能を持ってくるという可能性もあります。

K:現状としてハードウエアを要求するというところがありますね、文章を作っていく上で、思考が中断されたくないという考えがあります。<単に変換キーを押すだけでも思考が中断されるときがありますよね。>
ATOK9になってそれは確かに減ってきていると思います。
でも一太郎自身を使う上で、確かに機能的には納得できるのですが、それがきびきびと動かない。快適に動いてもらえればそれは感じないと思うのですが・・・。
現状としての一太郎は、便利なツールを使うために思考が中断されるような気がするのですが。

U:私たちの持つ考えでは、ハードウエアがやっとこれぐらいになってきたってことです。
人間の脳で考えることをやろうとしているのですから、あんなもんでよく動いてると思うんですよ。

ハードウエアがプアだっていいたいんです。
夢はもっと遠くにありますから。
私はよく、ハードウエアがここまできていて、ソフトがどうのこうのと言われるたびに、冗談じゃない、ハードウエア自体がプアそのものの代表だって思っているんです。

ですから、今スーパーコンピュータのようなパワーがあったら、もっとすごい、さすがにすごいという仕事が一杯できるんです。もっと安い値段でもっともっとすごいマシンを出してほしいんです。

ハードウエアメーカの予測が、僕にすれば人間やソフトウエアが要求している水準に対してこれぐらいであればできるであろうという読みが小さすぎる、読みが甘いということです。
ハードウエアメーカーの夢が小さいということです。人間の考えていることを支援したりですね、理解することをやっているのに、そんなもの・・技術がないわけじゃないんです。投資額なんですよ。

T:問題はソフトではなく、ハード(メーカー)にある、と・・・

U:そうです。

T:う〜ん、非常に明快なお返事ですが、書いちゃっていいのかなぁ(笑)

U:いいですよ、僕のポリシーやから(笑)

お互いにベストパートナ

T:ではここで、ちょっと質問を変えさせていただきます。ジャストシステムは、浮川社長と奥様とお二人で始められたとのことですが、奥様とのパートナーシップについて教えていただけませんか。

U:仕事の話ばかりしてます。

T:次の一太郎どうすんねんとか・・・?

U:もちろんそれもありますが、会社の運営と経営とか。

T:奥様は開発者でいらっしゃるわけですね。

U:そうです。ですから私が一太郎のことでどんな偉そうに言っても、全部作っているのは彼女たちのチームがやっているんです。

T:頭あがりませんねぇ(笑)。

U:もう、まぁ完全にあがりません(笑)。
でも、どちらが強いとか言っているわけでもないです。大学の同級生ですから友達のままなんです。たぶん夫婦というよりも友達のままなんです

T:同志のような・・・?

U:そう、同志といった方がいいかもしれませんね。

T:本当にベストパートナーっていう感じですねぇ。

U:そうですね。24時間一緒にいるっていうこと、それはすごいですね。どこの会社の役員同士でもここまで一緒にいないですからね。

T:でもそうすると、お互いが対等なビジョンを持ってないとやっていけませんよね。

U:そうですね。すごいです。大変なんです(笑)。
お互い秀でている部分が少しづつ違うし、視点が違いますしね。それから製品作りとか会社作りとかに関しても視点が違うんですよ。

スパンが違うんですね。きっと哲学が違う人間同士なんです、実をいうと・・。この摩擦がすごい・・日米摩擦のような・・・。それくらい・・・(笑)
でも、それだからうまくいっているのかもしれないし。お互いが説得しあったりすることも多いんですよ。

T:社長が奥様を一番尊敬される部分ていうのはどういうところですか。

U:問題を解決していくパワーはすごいですね

T:それは社長より勝るのですか。

U:私はいっつも夢ばっかりですね。

T:ロマン派?

U:ついついそっちに追いやられているのかもしれないですけど。実行していく人です、彼女は。昔からね。

T:長時間、公私にわたるお話をありがとうございました。
今後ますますジャストシステムさんが発展されることをお祈りして、対談を終わらせていただきたいと思います。貴重なお時間を頂戴し、本当にありがとうございました。

 長時間のご面談だけでなく、今後もプロップの活動を一層ご支援いただけるとのお話を頂戴し、足どりも軽く四国路を後にしました
。帰阪し、数日後にはセミナー用「一太郎Ver.5 for Macintosh」をお送りいただき、早速今期の初心者セミナーで使用させていただくことになりました。
また、障害を持つ人がインストラクターになってゆくための企画についての打ち合わせも継続して行っています。


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