「パソコン体験談 (1)」

げんた


 始めまして。突然ですが、このコーナーを担当することになった編集委員の“げんた”です。“げんた”と言うのはパソコン通信で使っている私のハンドルネーム(ニックネーム)です。私は昨年の12月にパソコンを再び始めたばかりの事実上のパソコンの初心者で、現在も覚えている真っ最中です。タイトルを見てもらえればだいたい分かると思うのですが、このコーナーでは、そんな私のパソコンを覚える過程を随時にレポート風に紹介していこうと思っています。こんな内容のコーナーが果たして読者の興味を引くのか、あるいは読者にメリットがあるのかは分かりません。ただこのコーナーが、読者の皆さんの中でまだパソコンの経験のない人の、パソコンを覚えようと思うきっかけの一つに、また参考になってくれれば筆者としては嬉しく思います。

 で、第1回目は、私が初めてパソコンに接してからの経緯を述べたいと思います。


《1 パソコンとの出会い》

 はじめにも「私は最近パソコンに再び触れるようになりました。」と書いたように、私が初めてコンピューターに触れたのは今から10年ほど前、頸髄損傷という怪我をする前の、大学でフォートランをさわったときでした。授業で少し習ったのですが、すぐに怪我のために大学をやめたので今ではほとんど覚えていません。その後、入院中に作業療法室にあったMSXのパソコンを触ったこともあって、退院後に、8ビットのMSXパソコンを買いました。約6年前のことです。これは、32ビットマシンが出てきた今ではひと昔はおろか、ふた昔も旧式のものです。そのほか、外部記憶装置もテープレコーダ、プリンタのドット数も9ドットと、現在のハードディスクドライブ、24ドットプリンタと比べると、フロッピーディスクドライブ、12ドットプリンタの時代を通りすぎて、これもふた昔前の装置です。たった6年ほどの間でこの違い、コンピューターの世界の進歩の早さには驚かされます。最も当時すでに、16ビットマシン、フロッピーディスクドライブはかなり広まっていましたが、趣味で使うのは高価すぎると思い(はっきりとは覚えていませんが、周辺機器も併せると3〜40万円かかったと思います)このMSXマシンを購入することに決めました(これはテープレコーダ、後に買ったプリンタを併せても20万円かからなかった)。


 とにかく、私はこのMSXマシンに結構満足して、ベーシックを独学で勉強して簡単なプログラムを作ったり、市販のゲームソフトで遊んだりしていました。しかし、元々確固とした使用目的があって購入した訳ではなかった私のMSXマシンは、そのうちにゲーム専用機となり果てて行きました。しばらくの間はMSXをワープロとして利用していたこともありましたが、その後、ワープロ専用機を購入すると、その歴然とした性能の違い(文字のドット数16ドットと32ドット、プリント方式ドットインパクトと熱転写、文書の記憶テープとフロッピーディスク、そのほかレイアウトの種類などすべての面)から、それ以降MSXをワープロとして使用することはなくなりました。そしてファミコンを買ってからは、MSXをゲーム専用機としても使うことはなくなっていきました。


 こうしてしばらくの間、コンピューターを使うことは有りませんでした。この頃思ったのは、「パソコンと言うものは、趣味で使うものではないな。」ということでした。これは今でもそうと思っています。その人の考え方や金銭的余裕にも依りますが、単に趣味で使うにはパソコンは高価すぎます。これからパソコンを購入しようと思っている人は、自分は何が目的でパソコンを使うのか、その目的のために本当にパソコンが必要かをよく考えることをお勧めします。ただ単に使ってみたいからとか、はやっているから、と言う理由で購入したのは、興味があるうちはいいのですが、そのうち使わなくなってホコリをかぶってしまう可能性が高いです。


 再びコンピューターを使うことを考えたきっかけは、このプロップステーションに準備委員で参加したことが始まりでした。コンピューターを利用した就職を考えるようになって、もう一度コンピューターを勉強してみようと言う気持ちになりました。また、プロップステーションの連絡などにパソコン通信が有効な手段として使えることも一因でした。プロップステーションの準備委員には肢体不自由者、聴覚障害者、視覚障害者など様々な障害者が参加しています。それらの人が一堂に集まって会議を開くとなれば、聴覚障害者への会議の会話の伝達方法、視覚障害者への書類の点字翻訳など難しい問題に直面します。また外出が困難な障害者が同じ場所に同じ時間に集まるのも難しいことです。これらの問題をパソコン通信は解決してくれます。パソコン通信なら文書のやり取りですので聴覚障害者への意志伝達にも問題有りませんし、視覚障害者にも音声合成装置で文書を声で伝えることができます。また各々の家で自由な時間にパソコンから情報を得たり送ったりすることができます。とにかくパソコン通信は障害者にとって利用価値の高いシステムです。まだまだ利用している障害者は少ないようですが、これを利用する障害者が増えれば障害者の声がもっと社会に伝わり、障害者の社会参加にも役立つと思われます。話がそれてしまいました。パソコン購入の話ですが、元々それより少し前に、家の事情からワープロをもう1台買うことを考えていたので、それならいっそのことパソコンを買おうと言うことになった訳です。コンピューターの勉強とワープロとパソコン通信、これだけのことに利用できればパソコンを購入する価値があると判断しました。

 いざパソコンを買うとなると、MSXマシンの時もそうでしたが、多くの種類があり、決して安い買物ではないので結構迷ってしまいます。次回は、このあたりの話を書きたいと思います。


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