リレーエッセイ 「チャレンジドの夢」

 児島 加代子さんの場合

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児島さんカット「ひとりだちをめざして」

 私は23年間、今現在、家族と暮らしています。一日を通して主に母に介護をしてもらい、外出時はヘルパーさんに付き添ってもらっています。今までは母と出かけることも多かったのですがここ数年前からは、友達と一緒に外出したり、プロップのセミナーに関しては、ほとんどヘルパーさんに付き添ってもらっています。というのも母は母で家の用事があったり、私自身もだんだんと親離れを考えるようになってきたからです。それに母にはなるべく自分の時間を持ってもらいたいですし、今までずっと一緒だったので、これからは私の介護から少しでも離れてもらいたいと思うからです。そこで最近はヘルパーさんのお世話になることも多くなりました。
 これは私としては将来の『ひとりだち』に向けての練習、基盤造りだと考えています。たぶん誰でも思うことだとおもいますが、障害がある、無いに関わらず一度は親元をはなれて、生活してみたいと思うのではないでしょうか。
 これから先、親が年老いていくことはあきらかな現実なので、そのときの事を今からある程度考えておく必要はあると思います。いざ親に何かあったときに慌てないためにも、今からヘルパーさんや家族以外の人に介護してもらい、慣れておくのもいいと思います。今でも自由な生活を送っていますが、もっと自分で考えて、決めて生活していくのも刺激があっていいと思います。グループホームなどいろんな形でのひとりだちがありますが、どんな形で実現できるのかは、これからの生活の中で考えていきたいと思っています。
 障害を持っている者が親元からひとりだちして生活するのは、簡単なことじゃないと思われると思いますし、そう思います。私も自分でできることは限られていますし、ほとんどの面で介助が必要です。しかし今の生活から考えてみるとなんとかなりそうだなと思ったりもします。そう思うことも大切だと思います。
 なぜひとりだちをしたいかというと、やっぱり親にかける負担を軽くしたいのが、一番の理由でしょうか。それに介護は全て家族が、身内がしなくてはいけないものではないと思いますし、時には他人に介護してもらう方がいい面もあると私は思います。もちろん人それぞれ状況は違いますので、一概には言えませんが、私の場合はその方が良いのではと考えています。
 いろんな障害を持っている人がいますが、重度の方でも工夫して一人暮らしをされていたり、グループホームで仲間と一緒に生活されている様子をテレビなどで見たり聞いたりすると励みにもなりますし、可能性があることを感じます。

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