チャレンジド。神から挑戦すべきことを与えられた人。障害者をそう位置付け、「チャレンジドを納税者にできる日本」をスローガンに掲げる。
就労による自立と社会参画は、かねてから障害者支援運動の目標だった。しかし、ここまで明言した運動は日本にはなかった。手にしたコンピューターと通信ネットワークの飛躍的な機能向上が、その呼びかけに現実味を与えた。
重度心身障害の長女がいる竹中ナミさん(55)=神戸市東灘区在住=が1991年に設立。98年に社会福祉法人として認可され、竹中さんが理事長に就いた。
チャレンジドや高齢者らを対象にしたコンピューターセミナーの受講者は千五百人を超え、このうち一割が在宅の仕事を体験した。難病や脳性まひ、頚椎(けいつい)損傷などで重度の障害がある人らも取り組んだ。2003年1月には、兵庫県、神戸市、通販大手のフェリシモ(本社神戸)と共同で、通販ルートによる小規模作業所商品の全国販売を実現した。取り組みは、障害者施策を一変させる可能性を秘め、産、官、学、民から幅広い支持を集め、発展を続ける。
「障害者が、働くことによって誇りを持てるようにしたい。高齢者や女性が老化や子育てなどの事情に応じて働ける社会をつくることにもつながる」。「ナミねぇ」の愛称で知られる竹中さんは、そう話す。
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