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croissant 2003年6月25日号より転載

     
 

あなたに伝えたい

 
 
あらゆる人に、立ちはだかる壁のない
ユニバーサルな社会を定着させたい。
 
 
竹中ナミさん
たけなか・ナミ 社会福祉法人『プロップ・ステーション』理事長
 
 

 

 

 議会で、『ユニバーサル社会基本法案』の検討が進められている。その推進力になっているのがこの人、竹中ナミさんだ。

 「憲法では、法の下に平等と謳っているけれど、この法案はさらに細かく、“すべての個人が、人種、信条、性別、年齢、障害の有無に関わりなく”と明言しています。すべての法律の土台になるものにするつもりです」

 竹中さんは、24歳のときに重度脳障害の長女を授かったことをきっかけに、障害児医療・福祉の世界に飛び込んだ。

 「アメリカや北欧では、障害のある人が納税者になるというのは当然で、アメリカでは、彼らを『チャレンジド』と呼んでいます」

 実際さまざまな場で多くのチャレンジドが就労しているが、かたや日本では「保護と救済がセット」。チャレンジドは納税どころか、社会から隔離されてしまいがちだ。それでいいのか、と平成3年「チャレンジドを納税者にできる日本」をスローガンに自立支援組織『プロップ・ステーション』を創設。平成10年には社会福祉法人格を取得。日本初のIT活用の自立支援組織(奮闘ぶりは、自著『ラッキーウーマン』飛鳥新社刊で)となる。

 「パソコンの技術指導、在宅ワークのコーディネートが主な仕事ですが、たとえ3人が1人分の仕事しかできないスローワークでも、納期を守り、クオリティーの高い仕事になるように、支え合うための仲介役でもあるんです」

 『ユニバーサル社会基本法案』実現に向けて、8月には一般参加者を募って、CJF(チャレンジド・ジャパン・フォーラム)を開催する。

 「目前に迫った少子高齢社会では、障害のあるなしにかかわらず、支え合うしかないですから、ユニバーサル社会の実現は、私たち自身の問題でもあるんです」

 


8月、千葉県・幕張メッセで『第9回CJFイン千葉2003年国際会議〜ユニバーサルの風を吹かそう』開催。申し込みはHPからでも可。URL http://www.prop.or.jp