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インターネットを活用したコンピューターのプログラム技術者や翻訳者を養成する通信制のセミナーで、障害者の在宅就労を目指す非営利団体が運営している。
このセミナーは、自分の技術力で就労を願う障害者を、プロの技術者として養成し、企業の雇用に結びつけるのが目的である。受講生の募集、テキスト配付、質疑応答、リポート提出、実力テストなど、セミナーの全行程でインターネットを活用する。
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(2) 背景・経緯
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コンピューター・ネットワークを活用して、障害者の自立と社会参加、特に就労の促進をめざす非営利の市民組織が、全国の障害者を対象に就労に関する独自のアンケートを実施した。
回答者の約8割が社会に進出する時にコンピュータが武器になると答えているが、教育を受ける機会や場所がない、技術を身についても仕事がない、在宅勤務ができないなどの問題点も指摘している。
このように、仕事に対する強い意欲を持っている障害者にとって、就労を阻害しているバリアを取り払うために、当市民組織が障害者を対象にしたコンピュータセミナー(データベースAccess講座、翻訳者養成講座など)を事業の柱として取り組むことになった。
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(3) 効果
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通信セミナーにおいて、障害が直接見えない分、障害者、講師ともに遠慮なく、のびのびと学習できる。 |
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外出が困難な人や遠隔地の人でも、在宅でかつその人にとって最も効率の良い状態で受講できる。 |
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障害者のみならず、働く意欲がありながら社会的要因で就労の道を阻まれている女性や高齢者にも、その道を拓くことになる。 |
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(4) 問題点・課題
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インターネットを使用する通信セミナーのため、電話料金、プロバイダー料金など費用が高い。 |
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障害者と講師の質問のやりとりはインターネットメールを使用するので、文章の読解力、表現力がある程度ないと、相手にうまく意志が伝わらない。 |
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(5) 今後の展開
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データベースAccess講座、翻訳者養成講座ともに継続して運営する予定である。 |
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データベースAccess講座は、今までは、基礎からプログラミングまで中心に実施してきたが、システム開発の実技実習をより多く実施するために、基礎部分を講座から切り離して、ホームページ上に実施していく。また、講座の中で出てきた質問と回答も『よくある質問』としてホームページ上に掲載していく。 |
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c |
データベースAccess講座を修了した人達のために、メーリングリスト上に研究会を開設し、講師と受講生の関係でないフラットな立場での情報交換により、更なるスキルアップの支援を進めていく。 |