マーマレードが考えること Part3
突然にからっぽになってしまったお菓子箱は
マーマレードを
絶望の淵におとしいれました。
ああ、あの日にもどれたら・・・
何度マーマレードは思ったことでしょう。
箱がからになるなんて考えたことさえなかったあの頃に。
それでもからっぽの箱はさみしげにマーマレードの前にありました。
かつてはこの箱にいっぱいのお菓子があったのです。
遠い昔のことです。
マーマレードはその日を思い、毎日嘆き悲しんでおりました。
・・・でもマーマレードはいつか気づきはじめたのです。
この世にはマーマレードと同じで、からっぽの箱を持っている人たちが
たくさんいるということに・・・。
マーマレードのようにある日突然箱がからっぽになってしまった人もいますし、
またははじめからからっぽのお菓子箱しかなくて
お菓子の存在すら知らない人までいるのです。
「そうなんだ、お菓子箱がからっぽなのはわたしだけじゃないんだ。」
たくさんの目の前にある空箱はどれもこれもみんな悲しそう。
泣いているように見えます。
そのことにマーマレードはすっかり気をうばわれてしまいました。
自分の箱が空っぽなのも忘れてね。
どんなにちいさくても貧弱でもいいからカップケーキのひとつでも
その中にいれてあげることができたなら・・と心から願いました。
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