作成日 1998年12月吉日
編集後記★今号は、「チャレンジド・ジャパン・フォーラム国際会議」の報告集です。 産官学民の広範な人たちが、プロップのスローガンである「チャレンジドを納税者に出来る日本」を合い言葉に集い、学び、実行する場として発足した「チャレンジド・ジャパン・フォーラム」が、始めて海外のゲストをお招きし、実行委員会を設けて開催しました。 スタッフも参加者も、すべてボランティアという「NPO方式」で、どこまでやれるか不安でしたが、事務局長を努めて下さった神戸デジタル・ラボの永吉一郎さんを中心に、泣いたり、笑ったり、焦ったり、落ち込んだり、そしてまた元気を取り戻したりしながら、数ヶ月間の準備の末に国際会議が無事開催され、そして終了しました。永吉さんはじめ、ご協力下さった多くの皆様に心から感謝申し上げます。 チャレンジド・ジャパン・フォーラムは、単に「語り合い、学び会う」だけでなく、いかに「実行に移すか」「施策に反映させてゆくか」が重要なポイントです。そういう意味で、オンセ、サムハルといった海外の先進的な事例は、参加者全員に大きな示唆と勇気を与えてくれました。特に、代表者ご夫妻自らがご出席下さったサムハル社(スエーデン)の発表は、自由主義経済機構の中で、どのようにすれば「チャレンジドが働き、社会を支え、そして誇りある社会人として位置づけられるのか」といった課題に応えうる、素晴らしい事例でした。 また、この事例を受けて、日本国内でも「やろうやないか!」(Go For It !)という力強い声が、地方自治体の首長さんから上げられたのは、大変嬉しいことです。 加えて、労働省と日本障害者雇用促進協会では、この10月「重度障害者の在宅雇用・就労の支援システムの研究会」を設置することになり、ナミねぇも委員として参画させて戴きながら、行政とNPOが協力しあって「チャレンジドの様々な働き方」を広げるための議論と実験を行って行きます。世の中は、確実に動いているんやなぁ、としみじみ感じる今日この頃です。 動いている、といえば、プロップ・ステーションはこの度(1998.9.3)厚生大臣認可による第2種社会福祉法人として、新たな一歩を踏み出しました。自己所有の事務所も持たず、コンピュータネットワークを使った、いわばバーチャルな福祉活動を展開するプロップが社会福祉法人格を取得した、ということは、まさに時代の変化を感じずにいられません。厚生省の英断に、敬意を表します。 法人格取得にあたっては、法で定められた基本財産などについて、マイクロソフト株式会社及びマイクロソフト株式会社代表取締役社長成毛真さんと、CSKグループ会長大川功さんより、多大なご支援を戴きました。ここに、誌面をお借りして衷心より御礼申し上げます。 社会福祉法人化にともない、今までの会員組織を「プロップ・ステーションを通じて、チャレンジドの就労促進を支援する後援会」に変更させて戴く予定です。 詳しくは、次号flankerでお知らせしますので、どうぞよろしくお願いいたします。 今の日本は、不況と犯罪の嵐のように思えますが、このような時代こそ、新しい社会システムへの息吹が芽生えるものです。「こんなんでええんか」「このままではアカンやないの」・・・そういう声の高まりをプロップの活動を通じて、ひしひし感じます。まさに「やろうやないか!」(GoFor It !)です。 秋も深まって来ました。どうか皆さん、お風邪などひかれませんように。落ち込んだ時には、ナミねぇの本「プロップ・ステーションの挑戦」(筑摩書房)を読んだり、ビデオ版になって発売されたドキュメンタリー「チャレンジド」(今村昌平総監修・押田興将監督、1時間6分、文部省選定)を観て、元気を取り戻して下さい。
な〜んて、最後は宣伝で、すんません(^^; では皆さん、これからもプロップ・ステーションを、どうぞよろしくお願いいたします。 (ナミねえ)
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