丹さんとプロップとは、1993年に竹中と坂上が日本障害者雇用促進協会・障害者職業総合センターを訪問して、FLANKER.No7で紹介させていただいたなど、数年来のおつきあい。
その後、1993年に同センターがインターネット接続し、インターネットを利用しての障害者の就労について研究されておられるそうです。現在は、センターの情報をインターネットで発進できるように準備を進めています。
注1 日本電信電話(NTT)はマルチメディア時代をにらんで、コンピューター通信専用の独立した公衆回線網を96年末までに構築する方針を決めた。費用のかかさむ交換機を使わない接続方式を採用することで、距離や時間にかかわりない新しい通信料金での利用が可能となる。
注2 「重度の視覚障害者、脳性マヒ者等雇用に就くことがとくに困難な重度障害者については、自営業を含めその職業的自立を図ることが重要であり、職域の拡大、職業能力開発、障害者に対する相談等の施策の充実に努める。
また、重度障害者である短時間労働者の身体障害者雇用率制度等における特例措置の事業主への周知を図るとともに、在宅勤務、フレックスタイム制等多様な勤務形態による雇用促進を図るための施策の充実を図る。
また、第三セクター方式による重度障害者雇用企業の育成や重度障害者多数雇用事業所の設置促進を行うこと等により、重度障害者の雇用の場の確保を進める
。また、これと併せて、授産施設等の入居者がその能力に応じて、一般の雇用の場に就労することを促進するため、職業リハビリテーションネットワークの整備等を図る。
さらに、障害者の高齢化に対処するため、加齢に伴う職業能力の変化等に関する調査研究に努めるとともに、高齢化によって職業能力の低下がとくに懸念される重度障害者について、そのニーズに応じた勤務形態の工夫等により職業の安定が図られるよう施策の充実を図る」(障害者雇用対策基本方針より)
「重度障害者については勤務形態において配慮を図ることがその雇用の促進に効果的であることから、短時間勤務、在宅勤務、フレックスタイム制等の多様な勤務形態の活用を図る」(障害者対策に関する新長期計画より)
注3 「公共職業安定所は、障害者の雇用を促進するため、障害者の求職に関する情報を収集し、事業主に対して該当情報の提供、障害者の雇入れの勧奨等を行うとともに、その内容が障害者の能力に適合する求人の開拓に努めるものとする。」(障害者の雇用の促進等に関する法律より)
ここで会場では、実際にインターネットにアクセスしてみました。
インターネットを紹介したビデオ(テレビCM)の上映です。日本とアメリカの子供たちがインターネットで交流している姿がなかなか微笑ましいです。
最後にプロップ顧問: 中野秀男先生(大阪市立大学教授)から、プロップのインターネット接続についての現状報告があり、閉会となりました。
「プロップ・ネットの話題から」でも紹介していますように、いよいよプロップ・ネットでインターネット・メールが使えるようになりました。
今回のchallenged分科会では、これを記念して、日本のインターネットの第一人者であり、プロップの顧問でもある中野秀男先生に、「インターネットとは何か?」を、分かりやすくお話していただくと共に、JCAの小船隆一さんに、プロップ・ネットでインターネット・メールの交換する様子をデモンストレーションしていただきました。
例えば、プロップ・ネットからインターネット・メールを送る場合、利用者はプロップ・ネットのホスト局にアクセスするだけです。
そこから先はどうなっているのでしょうか。プロップ・ネットの場合は、ここからプロップ内にあるUNIXマシンに接続されており、このマシンがさらに関西ネットワーク相互接続協会(WINC)にあるマシンに接続されています。このネットワークがさらに続いており、世界中のマシンにアクセスできるわけです。
ドメインには、ドメイン名が与えられます。プロップの場合は、prop.or.jpです。一番最後のjpは、日本を表わし、その前のorの部分は組織の種類を表わし、
・ad 計算機ネットワーク管理組織
・ac 学術機関
・co 企業
・go 政府機関
・or 団体
という意味があります。
その前のpropがプロップを表わします。その前に個人の名前と@がついて、個人を識別します。
個人の名前は世界中に自分を紹介する「顔」になりますので、慎重に決めたほうがいいです。
私は、男性は名字、女性は名前を付けることをお薦めします。
また、いろんなモノをインターネットにつなぐと、生活がかなり変わってきます。
現在すでにアメリカでは、自動販売器をインターネットに接続して、個々の自動販売器の在庫を管理しています。いちいち人が自動販売器を見に行かなくてもいいのです。
冷蔵庫にインターネットを接続すれば、冷蔵庫の中味を見て、足りないものをその場ですぐにインターネットから注文することもできます
。車にインターネットを接続することも外国の自動車メーカーで考えられています。心臓のペースメーカーをインターネットに接続して、病院に情報を届けるようにすることも可能です。
インターネットが生活の中に入り込んでくると、流通も変わってくるでしょう。
インターネットで本を買う場合、始めは最初の部分だけの料金を払ってテキストを送ってもらい、続きが読みたければ、その分の料金を追加して払って読む、というような形態になるかもしれません。
このUNIXマシンは、プロップ・ネットのインターネット・メール・サービスが実際に行われるときは、プロップ・ネットのホスト局の隣に設置されるものです。
また、UNIXマシンからは、実際に運用されるときは1時間に1度自動的にWINCに電話をかけますが、今回は手動で電話をかけています。つなぎっぱなしにできると便利なのですが、電話代がかなりかかります。
さて、メールを送った相手から返事が来るまでの間に、WWWを使ってWINCにあるFLANKERのホームページを覗いてみました。
FLANKERの表紙がパソコンの画面に現われた瞬間には、画面を覗き込んでいた会場の皆さんから歓声が起こりました。また、その後で質疑応答も行われました。
分科会の終了直前に圓尾さんから返事のメールが届き、インターネット・メールのやり取りをできたところで、終了となりました。