村木厚子さんの裁判を見守り支援する部屋

裁判が始まりました。

第1回公判では起訴状朗読、被告人意見、検察側・弁護側の冒頭陳述などがありました。詳しい内容はそれぞれのところをクリックしてご覧下さい。双方の主張を比較するとどちらが真実としての説得力を持つか明らかです。
次回からは証人調べが始まります。

第1回公判 傍聴記 平成22年1月27日
by ナミねぇK

「厚子さん初公判、傍聴記 byナミねぇ」

厚子さん公判傍聴記 2010.1.27初公判

13:00少し前、大阪地方裁判所に到着すると、駐車場に傍聴券を求める長蛇の列。
「家族傍聴枠」を厚子さんの上のお嬢さんから受け取り、抽選の列に並ぶことなく「応援の皆さん、ありがとう」と心のなかで呟きながら、お嬢さんと一緒に初公判が開かれる201号法廷へ。

法廷は、裁判官が座る高いひな壇と、その下の左右に検察側の席と弁護側の席。
検事2名と、弘中惇一郎弁護士ら5名は、すでに着席。
中央に被告や証人が発言する立席。
「テレビで見たのと、そっくりやなぁ」と思いながら「携帯の電源を切って下さい。撮影は冒頭の報道関係者撮影以外は禁止です」という注意を聞く。

13:20。法廷右側のドアから、厚子さんが信岡弁護士と共に、いつもの清楚なひっつめ髪で入廷し、弘中弁護士の隣に着席。
横田信之裁判長が開廷を告げ、公判が始まる。

まず検察側が「起訴事実」の書面を読み上げる。

「国会議員から便宜依頼を受けた元部長の指示に従って、企画課長だった厚子さんが部下に命じて、障害者組織として実態の無い<凛の会>に郵便料金割引のための証明書を偽造発行させた」という内容だが、聞けば聞くほど、読み上げられた「起訴事実」の不可思議さを感じる。

凛の会に実態が無いことは、多くの厚労省担当部局職員が気付いていた、と言いながら、誰もが村木課長からの「議員案件なので進めるように」という指示に逆らうこともなく、しかも上村係長が書類を作成することを黙認し、なおかつその書類は、他の申請書類を改変偽造したものに課長印を勝手に押捺したものであり、その上、手続きを終えた証明書は、企画課長である厚子さんが、倉沢被告に課長席で手渡した・・・という。

「んな、アホな!」としか言えないような検察側の論に、発言を許されない傍聴者の間に、静かなざわめきが広がる。

厚子さんが「被告人意見」を述べるため、中央の席に立つ。
毅然とした後ろ姿。
紺のスーツにアイボリーのとっくりセーター。あ、今日のスカートは、いつもの「膝丈のシンプルなタイトスカート」じゃなく、プリーツが入ってて、ちょっとフレアーっぽい・・・女学生風やんか。
思わず「可愛い・・・」と呟いてしまった私。

「私は無罪です。」厚子さんの声が法廷内に響き渡る。
「誰かと共謀したり、誰かに指示したりということは一切ありません。私は、国家公務員としての仕事に誇りを持って取り組んで来ました。事件には一切関わっていません。」

弘中弁護士の冒頭陳述が始まる。

村木被告は全く無実です。共謀したり指示するどころか、上村氏がそのような書類を作っていることさえ知らなかった。
村木さんは、31年間綱紀を順守し、真面目に公務に励んで来た。国会議員の依頼であっても、可否を明確にして対応してきた。書類を不正発行して議員の機嫌をとる必要など無い。
検察は、村木さんが上村氏に指示したと上村氏を誘導し、結論を導き出したが、上村氏はすでに「自分の独断で行ったことであり、村木さんの指示ではない」と弁護士に語っている。事件は、検察が「別件逮捕するぞ」とか利益誘導などで上村氏を追い詰め、供述書面に署名、押捺させたものであり、あらかじめ検察が作り上げたものといえる。

弘中弁護士の陳述が、静まり返る法廷に続く。

倉沢氏は村木さんに会ったと言っているが、村木さんの手帳にも倉沢氏の手帳にも、どれだけ精査しても面会の記述も、本件に関する記述も無い。倉沢氏の数千枚に及ぶ名刺の中にも、村木さんのものは無い。村木さんが倉沢氏の前で「要請の電話をかけた」という、日本郵便の森代表も記憶に無いと証言している。

何より、書面の偽造が上村氏の単独の行為だとの裏付けは、彼が書面を作成したフロッピーの記録だ。作成と保存が、平成16年6月1日の未明。午前1:20ごろという深夜である。そして偽造書面作成後、課長印を持ち出して押印したのである。

村木さんが、倉沢に「証明書が出来たので取りに来るように」と連絡したことはないし、倉沢が厚労省に受け取りに来たこともない。記録もない。
検察の話は、全ておかしい!

何より、村木さんに議員案件だからと手続きを命じた塩田元部長が共犯で逮捕されていない。塩田氏が共犯でないのなら、村木さんが個人で全てを行ったことになり、ますます検察の論はおかしなことになる。
従って、検察官の描くストーリは、およそ合理性を欠き、破綻している。すべての調書は、脅し、すかして創り上げたものにすぎず、村木さんの無実は明々白々である。裁判長は、一日も早く、結論を出して戴きたい。

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これ以上の初公判の詳細は、報道各紙から出る「詳報」に譲るが、公判後の記者会見では、「検察がなぜか調書作成経過のメモを全て破棄したこと」も、弘中弁護士から明らかにされた。

寒風の中、車いすの人も交え、60枚の傍聴券に約200人が並んだ初公判。今後23回の公判が続くが、厚子さんが体調を崩されることなく乗り切って行かれることを、心から願う。

「今、この時点で、無罪を勝ち取る自信は?」という記者の最後の質問に、厚子さんは力強く、こう応えました。

「これだけ力強い弁護士と支援者がいて下さることに感謝している。真実は必ず明らかになると信じています。」

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「村木厚子さんの第一回公判を傍聴しました。」

村木厚子さんの第一回公判を傍聴しました。

公判は、起訴状朗読、被告人意見陳述、検察側冒頭陳述、弁護側冒頭陳述の順で
進み、その内容はナミねえの秀逸な傍聴記を含むこのホームページですでに明ら
かになっているとおりですが、そのあと、裁判長による10数項目に及ぶ主要争
点の開示と、検察側、弁護側双方による証拠開示がありました。

次回から始まる合計11人の証人調べでは、主要争点について時系列的に緻密な
立証合戦が展開され、裁判官の心証が形成されていくものと思いますので、ご参
考までに主な項目を記しておきます。

・塩田元部長の被告人に対する指示の有無及びあったとすればその内容

・倉沢氏の被告人に対する当初の要請の有無及びあったとすればその内容

・被告人の村松係長ら(部下)に対する指示の有無及びあったとすればその内容

・倉沢氏の被告人に対する郵便公社への要請の有無及びあったとすればその内容

・倉沢氏の被告人に対する日付をさかのぼらせた証明書発行の要請の有無及びあ
ったとすればその内容

・上村係長の被告人に対する報告・相談と被告人の指示の有無及びあったとすれ
ばその内容

・被告人の塩田元部長への報告の有無及びあったとすればその内容

・被告人の倉沢氏への証明書交付の有無

・被告人の上村係長に対するあとづけ決裁不要との指示の有無

・被告人の動機の有無

・上村、倉沢の供述調書の真実性

この事件は、要は厚子さんが「共謀」「指示」という形で加担したのかどうかと
いうことがポイントです。

きわめて不自然、不合理、ムリムリの検察ストーリーが法廷でパタンパタンとく
つがえされることを固く信じています。

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