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【「ABCこども未来プロジェクト」でナミねぇがお話ししたこと】



わたしがプロップ・ステーションでやっていることは、障害がすごく重くてふつうは世間から「働けない」とか「かわいそう」とか言われる人たちが、実は自分も社会に貢献したい、稼ぎたい、タックス・ペイヤーにもなりたい、もちろん恋愛もしたい、結婚もしたい、と思っている。だけど世の中は、そういうことを出来ない人って決めつけている。
決めつけられたときに、それを「そうじゃないよ」って言う力はその人の中にしか無いんですね、回りではなくて。あなたは出来るっていう事を、どれだけお互いが確信を持てる関係になれるかっていうことで。

スタジオでお話しするナミねぇ。
右は藤原和博さん、後ろは高校生たち。
写真:スタジオでお話しするナミねぇ。右は藤原和博さん、後ろは高校生たち。
これは別にその人が障害がある無しに関係なく、子供と大人の関係でも一緒で、あしたの大人の社会っていうのは、今の若い人のあしたじゃないですか。ということは、あしたがどんな日本でとか、どんな家庭でとか、どんな社会であって欲しいかっていうことを達成できるのはもうわたしたちではなく、今の子供とか若い人たちなんですね。

で、そのパワーが絶対(彼らには)あるんですよ。あるんだけど自分の中にパワーが無いんだと思ってしまう様な状況に、いま陥ってしまっているんだけど ・・・ 絶対ある!
いじめられた、すごいつらい、だけどその経験こそが実はパワーのみなもと。矢部さん(ゲストコメンテーターの矢部美穂さん。子供時代にいじめを受けた経験をもつ)はいろんな体験をされて、でもいまここにすごく綺麗な女性で、こうしていらっしゃるわけですよ。きっとすごい色んな葛藤があり、いろんなことがあったでしょうけど、ここに今いらっしゃるのは、ご本人の力なんですよね。

それが全ての人に、きっと子供にあるっていうことを大人がまず信じないとダメ。子供やから無理や、じゃなくて。その人の中には絶対にある。そういう向き合い方が出来へん大人は、まあつき合わんでもよろしいやん。学校の先生であろうが地域の人であろうが、つき合わんでよろしいやん。
でも必ず学校の先生の中にも、地域の人、隣のおばちゃんにも兄ちゃんにも、八百屋のおばちゃんだって、そういう(子供と向き合える)人はぜったいいてはって、そういうひとと出会えるかどうかも自分のほうからアンテナ張ってるかどうかですよね。そういう人との出会いをやっぱり求めているときに、はじめて出会いがあるから。

その強さが自分ひとりひとりの中にあるって、みんな子供は思って欲しい。

                        ◇

写真:お話しするナミねぇ
個人的な話になるんですけれど、わたし自身は娘が34歳で重症心身障害ということで、生まれついての重度の脳障害で、わたしのことをいまだに母ちゃんと分かっていない。お医者さまのいう精神発達では生後3ヶ月。だけどその生後3ヶ月ぶんを30数年かけて成長している彼女のすごさっていうのが、もうビンビンびんびん伝わってくるわけですよメチャ可愛いのよね!

このメチャ可愛い、外から見たら「何あの子、可哀想に」「気の毒にあんな子で」って言われるけど、自分にとってすごい宝物やっていうのを経験しちゃったときに、わたし気がついたんは、彼女授かってなかったら、今のわたし無いん、こんなことえらそうに言える場所にいなくって、結局、親でも教師でも警察でも出来なかった、わたしを更生させることが出来たのは彼女であったんですよね。

だから人間の中には絶対その力があって、みんなの中にその力があるっていうのを彼女から教わったんで、今日もそれだけを伝えたいなあと思いました。(ナミねぇ)


(3月2日深夜 ABC朝日放送番組「ABCこども未来プロジェクト」にて)
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